書 名 日本は悪くない 著 者 ビル・トッテン( 株式会社アシスト社長) 初出 1990年四六判として刊行 発行日 1998年 7月20日 初版第1刷 発行元 株式会社 ごま書房 定 価 571円(本体) サイズ 新書判 187+57ページ ISBN 4-341-31007-0 マスコミでもお馴染の、アシストの社長、ビル・トッテン氏の本である。この 本、出たばっかりであるが、1990年に出た本を新書化したものであった。 まんまと引っ掛かってしまった(^_^)
日本がアメリカに進出しすぎて、アメリカが経済的に困っていた1990年 当時の状態を考えて読まないといけないが、本質的な部分は何も変わっていな いので、現在でも通用する内容である。
ビル・トッテン氏は、アメリカの企業が日本に進出しようとしたとき、わざ と日本料理店へ連れていって刺身攻撃をしたり、朝食はできるだけ高価なホテ ルで食事をして何千円もする朝食を食べて物価高を植え付け、タクシーを利用 せずにラッシュアワーの時間帯にお客と一緒に電車に乗って、日本の交通戦争 を体験させ、とても日本で自らの支店を開こうなどという気を起こさず、アシ ストにまかせるように仕向けるそうである。なんとずる賢いヤツであろうか。
日本の貿易外障壁について激しくアメリカが排除を迫っていたころの話で、 ビル・トッテン氏は、日本は全然そんなものはなく、日本語さえできるように なれば、アメリカにとってはとっても営業しやすい国であると書いている。当 時、ビル・トッテン氏がいかにして日本の大手商社に売り込みをかけるかをテ レビで放映していたのを覚えているが、日本語のできる外人は今でも興味を持 たれるようで、ぜひ欧米の企業で日本で成功したいなら、まずはトップが日本 語を何とか覚えて、片言でもいいから喋ることだろうね。
巻末には、RED PAPERという赤紙がついている。まあ、警告書というやつか な。ARE WE ABONDONING OUR COMPUTER INDUSTRY TO JAPAN? という57ページ にわたる英文のレポートである。モスバカー米商務長官、カーラ・ヒルズ米通 商代表、ゲッパート米下院議員へ送られた緊急提案書である。
日本も、アメリカも、政治家というものは国民のことなど考えていなくて、 自分の選挙のことだけを考えているという主張には納得できたな。