折り紙作品折り紙本
書名

多面体の折紙

正多面体・準正多面体およびその双対
著者川村みゆき
発行日1995年12月10日 初版第1刷
発行元日本評論社
サイズB5版、208ページ
定価2987円(本体2900円)

本書は、幾何学的に調和のとれた美しい立体を作るための折り紙の本です。 出版社も、月刊誌『数学セミナー』で有名な日本評論社であり、著者も神戸 大学で素粒子論を研究していらっしゃる研究者です。折り紙も、物理学者の手 にかかると、研究の対象になってしまうようです。

といっても、本書の記述が難しいというのではありません。非常に多数の図 を用いて説明されているので、だれでも簡単に作ることができるでしょう。

ところどころに、数式とかが出てきますが、無視して読んでもいっこうに差 し支えありません。正多面体について書かれた本は腐るほどありますが、純正 多面体(サッカーボールなど)についての本となると激減し、それらの双対ま でを網羅した本となると、もう皆無に近いのではないかと思います。

さて、本書では、正3角形とか、正5角形などの正多角形までも、正方形の 折り紙から、折りだけで折り上げて行くのですが、これはなかなか難しい。正 5角形は、定規とコンパスで描くのも大変面倒ですが、結局それと同様のこと を折りだけでおこなうのですから、次第にズレが重なり、最終的な形がいびつ な正5角形になったりします。

正3角形とか、正5角形とかの用紙から始める場合もあるので、その場合は、 折りで元の正多角形を作るのではなく、きちんとした計算で直接用紙上に輪郭 線を引き、切ってしまうのが正確な形を作るコツです。

本書の折り方のすばらしい点は、できあがった多面体の表面に余分な折り線 ができるだけ出ないように工夫をしている点です。折ってみると分かるんです が、殆ど表面には辺部分以外には折り目が出ないのです。これって、かなり画 期的に優れているんです。

紹介している立体は70余りあり、大変な数です。これだけ全部をきちんと 折るのは大変でしょう。

立体を折るのには、『ユニット折り紙』という世界が以前からありました。 そちらは簡単で、カラフルなこともあり、幼稚園などでも盛んに行なわれてい るようです。が、この本は、純粋に幾何学的にユニットを作り、組み合わせて 行くことを探求した本です。まあ、折り紙に挑戦というより、幾何学に挑戦と いった感じもしないでもありませんが、大変な力作です。


折り紙作品折り紙本