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書名 生物と無生物のあいだ
シリーズ講談社現代新書 1891
著者福岡伸一
発行日2007年5月20日
発行元株式会社 講談社
頁数新書判、285頁
定価740円(本体)
ISBN978-4-06-149891-4

週刊文春を立読みしていたら、偶然本書の著者福岡伸一氏の対談があって、 本書のことが取り上げられていた。 まあ、週刊雑に載ったくらいで読んでいたらキリがないし、 もしかすると営業活動として面白くない本を面白く紹介しているかも知れない。 でも、タイトルの「生物と無生物のあいだ」というのが気になって、実物を確認し、 入手してしまった。

『第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク』という章題で始まる。 いったいどこかと思ったら、ロックフェラー大学医学研究所であった。 そして、野口英世の悪口で始まる。 野口英世といえば偉人伝の人であり、 立派な人とのイメージを持つ人も多いはずだが、 そうではなかったことを書いている。 野口英世は様々な病原菌を発見したことになっているが、 実際にはほとんどが誤りで、医学上の貢献は少かったようだ。

実際、本屋で野口英世の偉人伝を確認してみた。 偉人伝の体裁をとっているが、誤りであったことを終りの方ではっきりと書いてあった。

現実には生活破綻者であり、トラブルだらけだったようである。 海外では、野口の評判はさっぱりで、実際に英語で野口に言及したものを探そうと思っても たいして見つからない。 それなのに、日本では千円札に使われている。 海外から日本にやって来た人は、千円札を見てなんと思うであろうか? という状態だが、何と、内閣府に 野口英世アフリカ賞が創設されたのである。 いやはや、どうなっているんだろか、某国政府は。

野口がミスしてしまったのは、いち早く業績をあげようと思い、 顕微鏡をのぞいていたら、見えないものが見えてしまったのではないかということだ。 野口のボスがあまりの権力者だったので、野口の研究は追試されることがなかったのも不幸である。 また、野口は電子顕微鏡が発明される前に亡くなってしまった。 野口が発見したと思った病原体は実はウィルスで、見るためには電子顕微鏡が必要だったのだと。

閑話休題 さて、そんなことはどうでもよくて、生物とはなにか、それを探ろうとして読んだ本である。 DNAがあれば生物だろうか。ウィルスにはDNAはあるが、結晶してしまうのである。 結晶してしまうものを生物と言えるだろうか。

生物とは、延々と入れ替わっている状態のことらしい。 人間の体は、次々と細胞が入れ替わってしまっているという。 骨や脂肪もどんどん入れ替わる。 脂肪さえ溜ることはなく、入る量と出る量のバランスがとれなくなって 脂肪だらけになるだけだという。 ということは、脳細胞もどんどん入れ替わるのであろう。 細胞は入れ替わっても、記憶は残る。

この、どんどん入れ替わる仕組みの解説にジグソーパズルが例として使われていた。 生物の体は巨大なジグソーパズルで、欠けているピースがかなり存在するようだ。 でも、周囲のピースが存在すれば、欠けているピースの形は分るので、 そこにピースを補うことは可能なのだと。

詳しい説明はきりがないので、もうやめよう。 最後に、印象に残った言葉をあげておく。

秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。

しかし、生物と無生物の違い、境界については、結局書かれていなかったように思う。 まだ、それほど混沌としているのであろうか。

2008年5月24日

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