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プログラムを動くように直したら、けげんな顔

1996年8月9日

このところ、どういう訳か私が動いたところの電気製品が壊れると噂されて いる。昨日、ネットワークセンターという、私のホームページが置かれている 所へ立ち寄った。まあ、勝手知ったる他人の会社で、どういう訳か私専用のコー ヒーカップも置いている。まあ、専用のコーヒーカップは、ここ以外にも、都 内に置かれている会社はある。

さて、それで、勝手に湯沸所(台所)という所へ行き、勝手にインスタント コーヒーの粉を入れ、電気ポットの湯を入れた。ボトボトという感じで、湯は コーヒーカップに注がれたのであるが、ぬるそうだ。コーヒーの粉が溶けない。

それで、おもむろに、電気ポットの方を見る。これは保温式のボットである。 せっかちなので、まだ、沸く前に入れてしまったかと思って見た。沸騰状態か、 保温状態かのランプが前に付いているのだが、どちらも点灯していない。

「あちゃー、電気が来ていない」

ということで、冷めかけたのが出て来たのであろう。さて、他人の会社では あるが、原因を捜さねば、と思い、コードをさわってみた。ちゃんと接続され ているようだが、接触不良かも知れないと思って抜き差ししてみたが、やはり 点灯しない。

とやっているところへ、ネットワークセンターの技術部長がやってきて、ちゃ んとテスターで電圧など測りだした。コンセントもOK、電源コードの導通も OKとのことだ。こうなりゃ、ポットの裏蓋を開けて、中を調べるしかない。

ということで、全ての電気製品は、徹底的にチェックを入れなければ気が済 まないい技術部長が蓋を開けて調べ始めた。蓋を開けて、どういう仕組みになっ ているかを調べた。良く分からぬ部品もついているようであったが、しばらく すると原因が分かった。

断線であった。結果は断線であるが、断線が発生するには、それなりの原因 がある訳で、このポットは買ってからまだ1年余りらしい。

最近の電気ポットなどは、電気のコードを付けるところが磁石でくっつくよ うになっている。その本体側の口のところがぐらぐらして、本体内部のコード が何百、何千回となく、コードを磁石でがしゃっと繋ぐときにぐらぐらっと動 かされ、それが度重なって切れたようだった。

もちろん、電気の口であるから、普通のプラグ程ではないが、短い丸い棒の ようなものが出ていて、そこから電気が入って来るようになっている。その棒 状のものが、プラスチックで固められて止まっていてた。2本の棒のうち、1 本はがっちりと座金が使われて、しかり止まっていたが、もう1方は、座金が 使われていなくて、プラスチックで固められただけの作りで、それがコードを 付けたり外したりする度の振動、圧力などにより破壊され、ぐらぐらになり、 ついには断線したのであった。

不思議なのは、なぜ1方はガッチリ止められているのに、他方はプラスチッ クで固めただけで済ましているのか、そこまで製造原価をケチっているのかと 思ったが、設計した訳ではないので、分からない。その他の設計や配線は、決 して抜けたりしないように良く考えられていたのであるが、ちゃんと手抜きし た場所から壊れていくというのであるから、故障というのは正直なものである。

まあ、そんな電気の話は止めよう。プログラムの話をしよう。

さる会社のプログラムを別のコンピュータで動くように移植してくれ、と言 われて作業していたときのことだ。まあ、作業はおおむね順調であった。作業 は進み、新しい方のコンピュータでの動作確認を進めていたのだが、1箇所だ け、ボタンを押すと処理を開始しているようなのだが、いっこうに処理が終ら ないのがあった。

ボタンの上には「回転」とある。このソフトは、画像処理のプログラムで、 たぶん、このボタンを押すと画像が回転するらしいのである。だが、何時まで たっても回転しない。非常に小さな画像でやると、何とか回転するのは確認し たのだが、ちょっと大きな、つまり、仕事で使うようなサイズと思しきデータ で確認すると全く応答がなくなる。

「いかんなあ、これでは使えんではないか」

と思って、ついプログラムを見てしまった。この回転のプログラムの修正は 仕事の範囲では無かったのだが、つい見てしまった。もちろん、画像といって も、非常に大きな画像を扱うので、圧縮した状態でメモリ上に存在し、全部を 展開してしまってはメモリが足りなくなる。それで、圧縮したまま90度回転 するのであるから、確かにちょっとだけであるが頭を使わないといけない。

で、プログラムを見たら、最も遅くなると考えられる手順で画像を回転して いた。それで、ちょいと手を加えて、ちゃんと回るようにしてしまった。これ で、すべてのボタンに対する処理がちゃんと動くようになった。「はい、でき ましたよ」と言って、持っていった。

「画像の回転も、このようになりました」

と、動くようになった所を見せると、けげんな顔をされてしまった。じつは、 動かないことを知っていたのである。もちろん、圧縮画像の回転は、どんなに 頑張ったって時間がかかる。頻繁にマウスでつんつんされると困る処理ではあ るが、出来なければもっと困る筈である。

でも、考えてみれば、動かない部分を動かしてしまうのは仕事の範囲外であっ た。やっちゃあいけないことであった。越権行為であった。前のプログラムを 延々と作った人の顔が丸つぶれである。動かない部分は、動かないように、バ グはバグの状態のままにしておくのが移植の仕事である。私は必要以上のこと をしてしまったのである。

皆さん、気をつけましょう、越権行為をしないように。


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