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貧乏人はプリンタ用紙を再利用する

1996年11月16日

今日で、ホームページ開始以来、累積で80万ヒットを達成した。今月はじ めにネットワーク関係のトラブルが発生して、そのあとアクセスがかなり落ち ていた。どうもそれが響いて、今月は出足が悪い。詳しい状況は、 アクセス・ランキングのグラフでも 見てください。

さて、前々日はパンチカードの話をした。 とにかく、紙の話であった。私は、折り紙とか、和紙とか、本作りとか、紙に 関することなら好きである。だから、今日も、紙のことについて、それもコン ピュータとの関係で書いていこうと思う。

コンピュータと紙といえば、もちろんプリンタのことになる。もちろん、貧 乏人であるから、新しい紙をプリンタにいつもセットして使っている訳ではな い。裏が白い紙は、裏が使えると思うのは当然ではないか。それで、裏の白い 面に印字されるように使用済みのプリンタ用紙をセットして使うのは誰でもやっ ているだろう。

まあ、簡単なプリンタ出力テストとか、ちょっと出してみるだけだったら、 不要用紙、印刷済み用紙の山の中から、まだ空白部分の残っている部分がある のを探し出し、その空白部分に印刷されるようにプリンタにセットして印刷す るなんてことも、金欠のときとかにはやっている。それに、「もったいない」 とつい思ってしまうのである。これは世代のせいだろうか。

そういえば、昔A社にいた女性技術者が、プリンタに裏紙を入れてジャムる のを怒っていた。まあ、怒るくらいならいいが、プリンタメーカの修理に対し ても文句を言っていた。まあ、周りの人々は、「それはいくらなんでも無理な 要求では」と考えていたが、本人はそうではなかったのだ。

さて、話をぐーんと昔へ戻そう。まだ、大型コンピュータ全盛の時代である。 今のパソコンよりも低い処理能力しかなかったが、一部上場企業の研究所や本 社情報処理部などで、でーんとガラス張りの部屋に鎮座していたころである。

当時のプリンタ用紙といえば、幅15インチ、高さ11インチの連続用紙が 一般的であった。これを「ストックフォーム」と呼んでいた。この連続用紙の 折り目が、ミシン目になっていて、簡単にそこで切ることができるようになっ ていた。また、両側には小さな穴が開いていて、その穴にプリンタのロールの 端にある出っぱりが引っかかり、きりんと紙が吸い込まれ、さらに出て来るの であった。

私が某一部上場企業でプログラムの下請け作業員をやっていたころ、プログ ラムの出力は、このストックフォームに印刷されて出て来るものと相場が決まっ ていた。グラフだって、この紙の上に、英数字と記号だけを組み合わせて作る、 今から考えると実に情けない状態であった。

さて、大企業ともなると、大型コンピュータが設置してあり、大きなプリン タが複数台並んでいたりする。ラインプリンタである。なぜラインプリンタと 呼ぶかと言うと、一時に1行を打ってしまうからである。普通のプリンタは1 文字ずつ打っているのに、1行を一度に打つから、それは高速なのである。

それで、そういう計算機室では、どんどんプリントするから、プリンタ用紙 がどんどんなくなっていく。1箱は2000ページであるが、かなりなペース でなくなっていくので、その紙をセットするための要員が雇われていたりする。 毎日、紙をセットするだけの仕事をしていたりするのである。

まあ、普通の人は、一度に印刷するのは100ページ以下が普通である。そ れよりも、計算機に仕事を依頼したのであるが、書き間違いでエラーとなり、 表紙と「エラーだよ〜ん」という情報だけのほんの数ページだけの紙が、出力 棚というところに並べられていたりする。

そういうふうな状況であり、出力はプリンタに出すに決まっていた。今なら ファイルに吐き出し、画面で確認してから、必要部分だけをプリンタで出すの がふつうだが、1000ページもの印刷をする豪傑はいくらでもいた。

そんな東京都の電話帳より重い紙の束を出し、ちらちらっと眺めて、「ちぇっ、 また間違ってしまった」と心の中だけでつぶやき、出力棚のすぐ近くにあるゴ ミ用段ボールに入れて帰って行く人の多かったこと。大きなところでは、ゴミ 用段ボール箱ではなく、ゴミ用の専用棚まで用意されており、回収業者が毎日 訪れているところもあった。

そういう贅沢なことをしているところへ出入りしている貧乏なマイコン好き なプログラマ達であったので、不要になったストックフォーム用紙の分厚いの を持って帰っている者もいた。主に、アセンブラ言語でプログラムしていた時 代なので、とにかくリストが長くなり、紙代が馬鹿にならなかったのである。

当時、マイコン用には、幅10インチ、長さ11インチの幅の狭いストック フォームがよく使われていたが、こういう用紙は大型コンピュータの世界で使 われることはまずなく、そういう用紙をもらって来ることはできない。

その持ち帰った紙を、15インチの幅を10インチに切り、裏返してプリン タにセットし利用するのである。短い用紙だと、肝心な所で紙が終ってしまう ので、できるだけ長い、つまり分厚い紙の束の捨てられたのを拾って来ていた ものである。

もちろん、分厚い紙の束を抱えて、「これから持ち帰って、調べてきます」 という風に装って持ち出すのであった。


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