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『京都の若旦那コンピュータ奮闘記』を読んで

1997年5月28日

サーバーマシンがダウンして以降、着実にアクセスが増加し、毎日1500 0ヒット前後になってしまった。マシンダウンの状況を知りたい野次馬根性で 増加したのか、それともインターネット全体の伸びにつれて伸びたのか、はた また何か原因があるのかは全然わからないが、とにかく伸びているんだ。まだ 回線には余裕があるから問題はないが、今の3倍くらいのアクセスになると、 またネット管理者が悲鳴を上げることになると思う。

さて、インターネット、とりわけホームページが騒がれるようになり、我も 我もとホームページを作ろうとする会社や個人が後を絶たない。書店でも、ホー ムページの作り方の本が溢れている。

まあ、これはいいのであるが、それらを参考にして作ったのかどうかは知ら ないが、あきれたページの多いのには驚かされる。 技術的に凝ったページはやたらに増えて来ているが、まあ、はっきりいって チンドン屋か、ネオン街と変らないようなのが何と多くなったことか。

その中でも、とくにチンドン屋、ネオン街的な要素の強いのが国会議員のホー ムページである。見ていて、うんざりする。コンピュータ会社、ゲーム会社じゃ ないのに、そんなところに凝ってどうするんだろう。それとも、チンドン屋、 ネオン街的なホームページを作成することによって、自分もホームページを作っ ていることを印象づけようとしているのだろうか。馬鹿につける薬はないので、 この件についてはこれ以上書くまい。ただ、内容の充実したページを作る議員 が出現を待つのみである。

そういうのとは違って、中身の充実した素晴らしいホームページも時々見か けることがある。その中でも、とくに優れた読み物というか、エッセイという のを紹介したいと思う。 京都の中西印刷 という、ちょっと変った印刷会社の若旦那、 中西秀彦氏の 『京都の若旦那コンピュータ奮闘記』 というエッセイである。

このエッセイ、日本印刷学会発行の「印刷雑誌」に連載中のものである。 1回の量はA4、1枚程度の分量で、2000字程度に 過ぎない。しかし、連載は3年目に入っていて、既に29回(1997年5月) に及んでいて、全体の量はかなりなものである。

日本語関係に興味のある方なら、氏の書かれた 『活字が消えた日』を読まれているかも知れない。その本よりも、もっ と印刷現場での七転八倒ぶりが書かれているのである。実際に現場にいて、コ ンピュータ技術から、印刷世界の内幕、その他もろもろのトラブルが書かれて いて大変楽しくかつ参考になる。コンピュータと印刷の両分野に深く首を突っ 込んだ者でない限り書けないような内容も多く、日本語や印刷に興味のある者 にとっては見逃せないページである。

今の日本のコンピュータ業界において、日本語のこと、漢字のことは殆ど忘 れ去られた、あるいは既に解決済みと思っている関係者が非常に多い。あれこ れ文句を言う人間にしたって、一分野についての専門知識があるだけくらいで、 コンピュータ、印刷、出版、古典、外国語などについて幅広い知識や経験の無 い人が殆どであるので、こういう人が出て来て、日本語コードを含めて文字コー ドについての検討をやってもらいたいものである。

今年になって、『印刷はどこへ行くのか』(晶文社、1800円)も出されている。

ところで、書こうとしたことは、チンドン屋、ネオン街的なものは、多くの 人に読んでもらうのには何の必要もないこと、中西氏の奮闘記を例に言いたかっ ただけである。

書店に延々と並んでいる文庫、あれの殆どは、ただ文字が並んでいるだけの 見ためには何の飾りもないのであるが、書いている内容が面白ければ、それで 十分売れるのである。何年、何十年の長期に渡って読まれるのである。ホーム ページにしたって基本は同じである。

もう一つだけ紹介しよう。こちらは若くない人のであるが、まあ、見てから 判断してください。

世界の地下鉄 (阿部脩)というのである。集められたデータ量は莫大なものである。 現在工事中の海外の地下鉄の路線図から、切符、自動販売機など多岐に渡っ て陳列されている。

このページでは、イメージは当然多用されているが、この場合はイメージ自 体が重要な情報源であり、価値がある。イメージはこういうふうに使ったら、 という良い例である。イメージをいくら使っていても、全体に落ち着いた感じ で、大変好感が持てるホームページである。

なお、阿部脩氏は、 日立アプリケーションシステムズ の社長さんである。

‥‥‥ということで、今日は、見習うべきホームページの紹介である。 とにかく内容なんだよ、どんな情報を発信するかだよ!


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