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視聴度0に限りなく近い視聴度調査システム

1997年6月27日

情報処理振興事業協会(IPA) を知っているであろうか。まあ、コンピュータの業界に長くいて、この協会 を知らないというのは、研究一筋とか、下請け一筋で過ごして来た者を除いて はいないだろう。普通に仕事をしてきた者ならたいてい知っているはずだ。

この協会のトップページを見れば分かるように、様々なことを行なっている。 要するに、情報産業の振興のために、様々な先進的なことへの資金援助などを 行ない、日本の情報産業を育成してきたのである。

もちろん、これは建前である。育成に関しては色々問題があって、色々な所 に書かれたし、私自身がここと深くかかわったのはまだ一度しかないので、詳 細に書くことが出来る程の情報は持っていない。

でも、若干の情報は得ている。真面目過ぎる企業が、補助金を返済規定に従っ て返済しようとしたら、今までそんなことをやった企業が無かったので、慌て ふためいたとか。また、政府関係の機関であるので、補助金の支援をしている 企業に対して作業日報を提出するように指示したら、コンピュータで日報を自 動生成した企業が出て来て、それ以来、日報は手書きでなければいけないとか (今はどうなっているかは知らない)あった。私も、日報位は自動生成してみ たかった。

昔の話としては、Σ計画なんてのも関係しているんだが、そんな古い大失敗 の話をしようとしているのではない。それに、大切なことは失敗ではない。先 進的なことを支援しようとするんだから、歩留まりが悪いに決まっているし、 一般企業では危なくて出来ないことを、国としてチャレンジする必要があると 判断して出来ている組織なのである。そうでなければ、IPAの存在意義がな い。

さて、そのIPAに、 視聴度調査システムと いう研究、運用実験というものがあり、実験への参加や、今までの視聴度調査 結果の情報が公開されている。やはり国が色々運用実験など行なったものは、 インターネットにより実験結果が公表され、より多くの人々が参考にし、無駄 な作業を省き、産業の活性化に役立たねばならない。

ちらっとであるが、「視聴度調査システム」のページを見て歩いたので、 その内容について解説してみようと思う。実験の趣旨は、ホームページのトップに

本運用実験は、インターネット上でのホームページの視聴度(アクセス回数) を「クーポン」というものを利用して、ユーザのプライバシを考慮しながら、 電子署名技術を用いて、公平に測定するものです。
と書かれている。視聴度という言葉はあまり一般的ではないような気がする のであるが、ここではこの言葉を使うことにする。

集計結果 のページが用意されているのであるから、これは見るしかない。 Microsoft Excel でしか見えないようになっているので、仕方なしに Windows95マシンのところまではるばる出かけて行って、Excelでグラフ化した 集計結果を見て来た。集計結果は、1996年10月から1997年3月まで の半年間が公表されている。

まあ、見たいと思う人とは見て欲しい。見た後、どのくらいがっくりするか は、とても私の口からは言えない(キーボードだから、指からは叩けない)。 お淋しい限りの視聴度である。どのくらいかというと、まったく誰にも見ても らえない、世に良くあるホームページ並なのである。昨日は誰かに見てもらえ たかな、今日は誰かに見てもらえたかな、というレベル、あるいはそれ以下 の視聴度情報しか集まらなかったようである。

この視聴度を集めるのに、プラグインが必要なのである。参加企業とか研究室 のホームページへ行くとすぐに分かる。参加しているところも非常に少ないので あるが、どんな風にしているか分かりやすいところとしては、 東京放送(TBS)カウントダウンTV のページが適当であろうか。人気の音楽テレビ番組であり、当然多くの人が 見に来ている筈である。しかし、視聴度情報で見る限り、情けないくらいの人 しか見たことになっていない。

この原因を考えるのが視聴度調査システムの重要なところなのだろうか。 見られている筈なのに、運用実験結果は限りなく0に近い。もちろん、この 原因は、誰にでも簡単に分かる。

ちょっと見たいだけなのに、プラグインを見る人に入れさせようというのは 発想が完全におかしいと思う。見るだけの人が、ある程度の情報を入れなけれ ば動かないようなシステム、設計するだけでおかしいと思うが、何ヶ月間も運 用実験をしたらしいことは驚きである。

色々な情報を入れさせたり、有料化したページというのは、よほど見る人に 取って利益がなければならない。例えばHページのように、見る人を満足させ るとか、その他有益な情報の提供が必然である。

視聴度調査システムの運用実験はまだ続いているのか、それとも終ったのか 良く分からない。まあ、メールを一発出して聞けばいいのだが、IPA建物の の近くへ行くなんてことになるとそれだけで足が重くなってしまう私としては そんな勇気はない。まあ、でも、4月以降の集計が全然ないところや、ホーム ページの更新もほぼ止まっているので、放置という状態なのだろうと想像する。

ところで、何で、この視聴度調査システムのホームページ、今でもちゃんと 見えるようになっているのだろう。 参加組織名一覧表には、有名なところも多い。 こういう状態のところに名前を載せるなんて、さすが私と違って勇気あるね、 大きな会社とかは。

それに、この運用実験、どう考えても「ユーザのプライバシを考慮しながら」 というところが引っかかる。逆ではないだろうか。情報発信者と情報受信者の 間だけで行なわれていたことに、第3者が加わってしまい、第3者に貴重な情 報が渡ってしまうではないか。情報発信側にも受信側にも、何もメリットがあ るとは思えない。デメリットは明らかにあるが。

税金でこんな研究していれば、当然東南アジア諸国に抜かれるよ、今更言っ ても遅いけれど。

「あきれたページ」(2002/1/31閉鎖)に書くべき内容かもしれないが、 ついこちらに書いてしまった。


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