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学習ペースにどんどん差が出て、さあ大変

1997年7月26日

今日は土曜日で、ネパールでは休日である。ネパールでは、土曜日を休み、 日曜から金曜まで働くのである。それで、今日は休講日である。

明日は、日曜日で、日本人の休日であり、私も日本人なので休みをとりたい。 それで、明日も休講日である。でも、実際には、何を教えようか、英語で何と 言えばいいのかを調べるので、実は必死で勉強する日になるのかも知れない。

さて、Running Linux の本は、2日間で全部済ませて、なんてことはある訳 がないのであるが、自由に使えるパソコンが手に入ったら、この本を参考に頑 張れ、と言うしかないのである。教える期間は、たったの2週間(8日間)な のだから。

3日目からは、Cのテキストを使いながら、毎日1章ずつこなしている。 Kernighan + Ritchie の "The C Programming Language" をやっても良かった のであるが、事前打ち合せで、あまり難しい本を選ぶなと言われたので、もっ と易しいのを選択したのである。そのおかげで、Cの仕様の基本部分しか書か れていないのである。

そういう訳で、今使っているのは、易しい入門書で、この本を理解した程度 では駄目だ、駄目だ、と脅している。まあ、この入門書以下のレベルのCプロ グラム技術者がゴロゴロしている日本という国もあるらしい。

そういうことで、この本をさらさらっと読み終えたら、必ず、Kernighan + Ritchie の "The C Programming Language" を読めと教えておいた。

さて、C言語ともなると、少々講義をしないといけないことがある。私の英 語力ではとても無理なので、前日、使うCの本の予習をして、使えそうな文、 必要な専門用語にサインペンでマークをつけておいた。

それで、どうしてもCの講義の最初には、識別子、定数、変数、型、演算子 などについて長々と説明をしなければいけない。英語がこの上なく苦手な私と しては、サインペンで色をつけた所を読みながら、正しいサンプル例と間違っ たサンプル例を出して、C言語としてOKか否かを示した。

それから、一番短いCプログラム例として、

        main(){}
も教えた。まあ、まともに講義らしく講義するのはここまでで終りである。 といっても、実際には、1時間程度で基本の基本を終え、さっそく一番短いC プログラム例を入力して、実行しても何も起きないことを教える。

次にコメントの実験をさせる。プログラム全体コメントにしてしまったと きにはどうなるか。

それからテキストのサンプルプログラムを各自に入力させて、入力ミスを期 待したが、用意されたプログラムを入力する場合にはミスが少ないことが判明 した。これでは、こちらとしては、ちっとも面白くない。始めたばかりの初心 者が如何なるミスをやらかすかを見たいだけで、この仕事を受けたのではない のだが、ついいつもの癖でそういうことを考えてしまう。

それからは、Cプログラミング専門課程の方針に近い、どんどん実験をして みようという姿勢で進んでいった。「さて、こういうことをするとどうなるか、 さあやってみよう。答えはコンピュータが教えてくれる」といういきあたりばっ たりである。何をやらせるかも、その場、その場で決めている。

さすが、いろいろなことをやりだすと、; の忘れとか、{ } のバランスが崩 れるとか、ちゃんとミスが発生し、期待した効果が現れてきた。つまり、ちゃ んと入れた筈なのに、cc するとエラーが出てくるという訳である。

「確かに間違ってますねぇ、でも教えてあげないよ。見つけるのが勉強だから ね」

という訳で、皆が、どうして、どうしてと悩むのを楽しんでいた。この楽し みがなくてC言語を教えるなんてとても出来ない。

cc の出すエラーメッセージを頼りに探していくのであるが、行番号、さら にはどの語の前にエラーがあったかまで分かる詳しいエラーメッセージなので、 よほど副作用が絡んでいる場合以外はすんなりと見つけていた。

プログラミング段階に入って、実力の差がどんどん明確になってくるのは仕 方がない。でも、さすが、今回生まれて始めてコンピュータに触っている連中 にとってはかなりきついペースで授業は進んでいる。それでも、必死で勉強し てついて来ようとする。理解力の問題ではなく、全くコンピュータに触ってい ない状態から、Linuxをやって、Emacs を使って、C のプログラム入門コース を2週間でやろうという暴挙なのであるが、なんとかなっているから凄いこと である。

現在、受講している5人は、3つのレベルに分かれてしまった。1名だけい る女性が一番できる。Kernighan + Ritchie の "The C Programming Language" を一人でどんどん読みながら、学習を進めることが可能である。な にしろ、Running Linux の本を持っているというから、並ではない。彼女に必 要なのは、私のような教師より、自由に使え、Linuxがインストールできるパ ソコンである。後は、インターネットで情報漁りをマスターすれば、私は完璧 に不要である。

若手の2名の男性は、まあ大体こちらの予定していたペースより若干速いく らいのペースで進んでいる。進み過ぎそうになると、「こういう場合はどうな るだろうか」というちょっとした変更を加えて確認させている。

中年の2名の男性は地方勤務で、生まれて始めてコンピュータに触るという こともあり、LinuxとかC以前に、何でもいいから、パソコン、キーボードに慣 れることが必要である。

でも、皆、知能は明らかに高い。東大、京大、東工大などの学生と比べても 全く遜色ないし、多分それ以上だろうと感じられる。英語なんか、私は、彼ら に直してもらいながら、なんとか授業を続けている。


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