ホームページ目次1997年前の話次の話

『2001年宇宙の旅』は最先端技術の調査研究かと思えば

1997年11月7日

来週は、『2001年宇宙の旅』プロジェクトと、『ネパール研修』の最後の 集会があって、本当におおわらわである。

さて、先週『2001年宇宙の旅』の調査研究のための資料として、700枚程の A4の手書きの紙が宅配便で届いたのであるが、いつまでもそのままにしてお く訳にはいかないので、時間的にゆとりのある今週後半に見て、エッセンスだ けを抜き出したような報告書を作成しなければならないので、昨日から本格的 に格闘している。

昨日、一通り眺めたところで、この分厚い書類を入れておくためのファイル、 ではなく箱を近所のディスカウントショップで買おうと思ったら、適当なの がないので、もうすこし高い大型スーパーの文具コーナーで、組み立て式の箱 を買って来た。予定外の出費である。

さて、その700枚の手書きの紙だが、実は何部か制作されて、その中の1セッ トが調査研究担当者の一人である私の所に送られて来たのである。3セットと しても、2100枚、つまり、コピー用紙の段ボール約1箱分である。

そういえば、昔、大変紙を使う会議へ出席していたことがある。進行状況や 細かい仕様書が毎回配られて、会議の最初で、古いのと入れ換えて行くのであ る。会議の参加者も10名以上いたようだったし、各自に配られる枚数もかな りなもので、会議毎にコピー用紙の段ボールを1箱以上使っていたような気が する。

さて、『2001年宇宙の旅』というプロジェクト名からすると、さぞ最先端の 科学技術がいっぱいだろうと思うだろが、実はそうでもないのである。という より、ちっとも新しい技術を取り入れていないではないか、と思うことが多く、 調査の度に、ガクッ、ガクッと落ち込んで行くのである。

2001年に完成ではなく、2001年から利用できるように準備するのが今やって いる調査の主たる目的なのである。実際のプロジェクトは、確か15年計画とか で、余りに先の話なので、聞いたとたんに呆れ果てて、忘れてしまった。15年 先まで運用できるようなコンピュータシステムのプランを立てて欲しいらしい のであるが、そんなもの、国家予算がどうなろうと誰も出来ないことで、万一 プランを立てて、それを守ってやってしまったら、どんなに無駄が発生するや もしれない。まあ、作業の99%以上が無駄になるであろう。

という訳で、私は、自己の能力の最大限の大風呂式を張って、やっと2001年 までの方針を調査しているのである。『2001年における最新鋭のコンピュータ 技術について報告せよ』と言われたって、あらゆる物の性能が格段に上がって いることでしょう、とか言えない。

ここらで、コンサルタントとらしく、適当なプランをでっちあげて、奇麗な 報告書を作成すれば、みんな理解できないまま納得したりするであろうが、そ うできないところが私の阿呆なところである。

ずっと前の事だが、親戚筋の土建業者が、公共工事の検査のときに、いい加 減な工事なのに検査官が合格にしてしまったと怒っていた社長がいた。普通は、 手抜きをして、それがバレないかどうか気をもむのであろうが、合格にしたこ とに腹を立てるような人の血が私にも若干流れている。困った血統だ。

『2001年宇宙の旅』のようなプロジェクトは、予算で動いて行くので、なか なか難しい問題がある。日本の予算というのは、なかなか硬直していて、コン ピュータやインターネットなどのように変化の激しい分野に向いていない面が 多いのである。スケジュールでは、2001年までにドーンとコンピュータ関連機 材を買って、それをその後、10年以上も使うつもりでいるようなのである。

今までの似たようなプロジェクトは、だいたいそういうふうにやってきたら しいのであるが、コンピュータ、インターネットなどを担当させられて、そう いう予算計画を立てられたら、それだけで全体のプロジェクトが潰れてしまう ので、いくつかの切札を用いて、予算計画、会計処理なるものを変えさせなけ れば、プロジェクト自体が落ちこぼれるという、阿呆なことになってしまうの である。

このプロジェクトを担当している官庁の関連部署は、ずっとそういう予算編 成で動いているから、ちょっと今では考えられない様な設備もあって、あるい は無くって、これで大丈夫なのだろうかと不安になる。

今世紀中はともかく、21世紀初頭には、人工衛星を用いたさまざまな技術 が一般の人々にも影響を及ぼし出す筈である。『2001年宇宙の旅』の中の最重 要項目の1つもそれである。私のやっているのは、その宇宙時代を支えるもの を支えることなのであるが、最先端技術の調査よりも、そういう制度を「国民 生活の安全」とかを切札にしてでも変えさせようかと夢想している。

最先端技術をいかにして盛り込むか、いかなる設備を導入するか、いかにそ ういう装置を使いこなせる人々を育てるか、が問題のようにどこでも言われて いるが、そんなことは易しい問題である。難しいのは制度の壁なのである。今 回のでは、「予算制度の壁」である。

さて、報告書の残りをなんとかまとめねば。


ホームページ目次1997年前の話次の話