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どうして『情報プラザ』はあんなことになったか

1998年1月20日

先日、 世田谷文化生活情報センター情報プラザは暴走中 なんてことを書いてしまって、予期していたこととはいえ、若干の波紋を起 こしてしまった。世田谷文化生活情報センターというのはさすがに長すぎるので、 『くりっく』という別名がある。

本日、そのくりっくの事務局長に会ってきた。くりっくといっても、キャロッ トタワーの中のあちこちにある色々な施設を総称した名前で、劇場まで含んで いるので、全体ではかなりの規模になる。その5階に事務室があり、これらの 施設を管理しているのである。

くりっくであるが、これは区そのものではないのだが、財団法人世田谷区コ ミュニティ振興交流財団という組織になっており、ここが運用管理などやられ ているようだ。といっても、殆ど区と言っても間違いはないはずである。詳し い線引きは本質的なことではないので無視しよう。

さて、事務局長さんであるが、こういうところでは珍しい、かなり進歩的な 方であった。事務局長さん自身、現在の『情報プラザ』の作成に疑問を持ち、 方針変更なども考えられたこともあると言っていた。「10年前ならともかく、 今の時代にこんなもの作って誰が触って喜ぶのか」とも言っていた。

しかし、それでも計画通り作られたのである。とにかく、じっくり考えて作 成した計画は、そのままじっくり遂行されてしまうとのことであった。時代が 変り、住民の考えが変っても、とにかくじっくり考えたのだから、それをその まま実行してしまうのが区のやりかたなので、こんなザマ(もうちょっと柔ら かい表現を使われていたかな)になってしまった、とのこと。

そんなやりかたでマルチメディアとか、インターネットなどの情報化に対処 しようとしたら、とんでもない物ができることは明らかである。こういう分野 では、どんなに考えて企画を立てても、1ヶ月もしないうちに企画がボロボロ になってしまうのはしばしばである。3ヶ月も持つ企画なんて殆どない世界で ある。それより、軌道修正をいかにやっていくかが重要に決っているのである が、それが出来なくて、完成する前に惨澹たる状況になることが保証できるも のができてしまったのである。

これは、世田谷区に限ったことではなく、全国津々浦々で日々起きているこ とであろう。そして、当然のことながら、とんでもない税金の無駄使いになっ ている。でも、これで、誰かが潤ったりもする。

もう1つ大きな失敗は、物にばかり金をかけてしまったことである。地方自 治体が行なう情報化で、物に莫大な金をかけても、情報化機器の陳腐化は極め て速い。リースを組んでやっているのだが、もちろんリース期間が終るまで機 器が使えることは決してない。そのはるか前に陳腐化してしまって、粗大ゴミ の展示場になるのはいずこも同じである。

それから、コンピュータの金額とか、インターネットの費用とか、どうも相 当高い金額を吹き込んだ者がいたようである。それほど多額の資金を使わなく ても情報化の実験はできる。また、今までの情報化実験の間も、当然やるべき 情報収集なども、いままで担当していた東大教授とか、 「地域不活性研究所」が当然教えたりすべきであったのだが、何もしなかったようだ。 地域不活性研究所については、それがいかに不活性であるかの証拠物件も提 出しておいた。

広げるべき波紋はこれからもしっかり広げて、何らかの対処がされるように したいと思っている。とくに、区議会議員の方々とかには頑張ってもらいたい のだが、このあたりはどうなるのか私には分からない。

マルチメディアとか、インターネットという、非常に変化の激しい世界の相 手はきっと役所は苦手だと思う。少なくとも、他の部門と同様にやっていたの では、とんでもない者しかできず、晒者になってしまう。でも、その分野の専 門家の間でも、ほとんどの人が落後しているのである。しかし、世田谷区は日 本でも最も多くのマルチメディアやインターネット関係の者がいる地域である。 区は有能な区民の能力を活かさなくてはならない。大企業のそういう分野の指 導者だって多数住んでいるはずなんだから。

今のまま、誰にも殆ど利用してもらえない『情報プラザ』を放置してしまえ ば、これ以上の税金の無駄使いはないであろう。本当に恥じ晒になってしまう。 それも、インターネットを通じて、全国津々浦々まで恥が流れてしまう。しか し、ちゃんと対処できれば、「世田谷区の有能さ」が知れ渡るのである。まあ、 能力が試される絶好のチャンスであろう。

硬い話になってしまった。次は、柔らかくしよう。


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