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日本国ではコンピュータは6年間使うことに決まっている

1998年12月20日

今週も例によって引っ越しである。ビルの中に何本ものLANケーブルを通し、 2つの遠く離れた階に分れてしまったオフィスを接続する作業である。最終的 な状態ではなく、専用線の引き込み場所の変更は来年になってしまったが、そ れまで待ってからの整備では不便で困るということで、とりあえずの整備となっ たのである。

古いコンピュータを再生してインターネットに接続しているのであるが、そ れらの何台かを移動したのである。これだけなら、まあいつものことで簡単な のだが、コンピュータを並べていた棚も移動しなくてはならない。しかし、さ すがに今まで使用していた棚は、安いというだけの理由で購入したもので、物 を置いただけで棚が落ちるのではないかと思われるようなやつだったので、サー バー類を置く棚だけは立派なのを手作りした。棚が自然崩壊したため、サービ スを一時停止しております、なんて恥ずかしいから。しかし、棚の上に並べる コンピュータは、貰い物、拾い物のオンパレードである。良く見たら、一台と して全てが新品というものは無かった。

枠と棚板とキャスターを買ってきて組み立てただけの簡単な物である。それ でも、以前の棚に比べると4倍もの値段がする超豪華な棚である。まあ、前の 棚がいかに安かったかというのが本当の所である。一応新品だったが、安売り 屋の中の安物を選択したのだから仕方あるまい。今後は、この自然崩壊しそう な棚は、段ボール箱置き場にでもなることであろう。

こうして棚もできると、次々に貰ったコンピュータ、拾ってきたコンピュー タなどの部品を適度に入れ替えては、何とかサーバーマシンを作ったりしてい る。こんなに安くサーバーマシンを生成しているなんてのは秘密にしていない と、サーバーということで高額の請求をしているところからどんなクレームが 来るやも知れない。コンピュータは安いが、こういうコンピュータでサーバー を組み立てるには、それなりの知識や経験、勘に冒険心が必要であり、これが 実は非常に高いのであるが、自分達でやれば直接の出費はない。完成して動き 出すまで、最終的な組合わせは決定しない。それどころか、動いているコンピュー タを止めて、無くても動く部品を外して使ってしまうことも良く行われる。

このように頑張ってパソコンを分解したり、組み立てたりしながら使えば、 何とか5年位は無理をすれば持つ。しかし、普通にM$社のWindows系を使用し ていれば、3年も使い続けるのは非常に難しい。世間の多くのところでM$社の Windows系マシンが動作しているようであるが、いったい何年間使っているの であろうか。Windows3.1、Windows95、Windows98、そしてWindows2000となる 度にどんどん強力なコンピュータを要求され、その割には処理速度の殆んどは アプリケーションではなくWindowsxxが食い潰してくれて、頻繁に買い換えを しなければならない状況になっている。

もしかすると、もうPentiumのパソコンですら捨てている時代なのだろうか。 私の周囲では、まだ多数の486パソコンが元気にネットワークの管理などに精 を出している。Pentiumの75MHzマシンでも我々にとっては高嶺の花なので、捨 てるときには是非連絡して欲しいものである。

ところで、会社でパソコンなどを購入した場合、10万円を越えると資産と見 做される。10万円は入るのか入らないのか忘れたが、そのため、何とか10万円 以下でパソコンを買い、消耗品扱いにする。資産とみなされれば、コンピュー タの場合、法定耐用年数が6年であるので、コンピュータの価値が6年かけて 徐々に下がっていき、6年後に購入価格に1/10になることに決まっているので ある。

昔からずっとこのようになっているが、これは太古の昔の、コンピュータが 大企業の本社の入り口の横のガラス張りのケースに入っていて、大型コンピュー タを持っていることが自慢の種、企業のステータスになっていた時代の評価基 準なのだろうか。その当時の大型コンピュータなら、法定耐用年数が6年は妥 当なものである。

しかし、一般のオフィスなどで使われているパソコンが6年保つとはとうて い考えられない。3年保たすことすらかなり苦しいのが実情なのである。こん なことは小中学生でも知っている常識である。このくらいの知識がなければ、 今時の子供にはなれない。

先日、単価で100万円以下のコンピュータなどを即時償却できる制度を導入 しようというのが、自民党商工部会で話し合われ、これで日本経済の活性化に 繋げようという意見がまとまったらしい。

でも、どうしてこういう基本的な制度が狂っているのに、小手先だけで何と か対処しようとするのであろうか。そういう問題ではなく、法律が現実を完全 に無視している状況を正すのが先に行うべきことであろう。耐用年数6年はど う考えても異常である。官公庁のコンピュータが実際に平均で6年間実用に供 されているのなら分るが、実際にそういうことは有り得ない。国会議員だって、 6年前のコンピュータを利用している者がいったいいくら居るだろうか。

不景気とはいっても、銀行の多くはバブルを煽り、引き際を間違えて莫大な 赤字を抱えただけである。真面目にやっていて、バブルに手を染めなかった銀 行は、いまでもいたって健全経営をしているようである。当たり前のことをやっ ていたかどうかである。

コンピュータ関係の法定耐用年数6年というのは異常である。大蔵省は現実 に合わせるつもりは無く、昭和61年に出された「税制の抜本的見直しについ ての答申」に基づいて今後もやっていく模様のようです。国会議員事務所から 大蔵省に対して問い合わせた回答がそうだったので、まず間違いないでしょう。

そのおかげで、法定耐用年数6年に基づいた経理処理と、会社を倒産させな いために、実際に使えなくなる年数を考慮した現実世界の帳簿を作成し、使わ なくなったコンピュータも法定耐用年数6年まで倉庫に眠らせるために膨大な 倉庫を借りたりと、多くの企業は苦労しています。こんなことをやっていたら、 日本の企業が世界経済の中で落ち込んでいくのは当然すぎる結末である。

それにしても、一時しのぎでない、ただ単にあるべき姿にするだけという小 学生にも納得できる程度の制度を作ってくれない国会とは何なんだろう?

バブルが弾けたあと、遺産相続したら、全財産を売っても払いきれない状況 が多発したが、そのときも、法的に問題ないということで誤魔化され、自殺者 を予定通り発生させた。大蔵省は、当時から一歩たりとも進歩していないよう だ。


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