ホームページ目次前の話次の話

新入社員追加募集の審査に付き合わされる

1999年2月11日

先日、『JAVAとパズルの世界』の連載 の原稿をやっと書き上げた。とてもタイプが遅く、一晩で書き上げることが出 来ず、休日も使って書き、今週の月曜日にメールで画像もつけて送ったら、そ の日のうちにゲラが届いてしまった。あまりの手際の良さに、どんどん仕事に 追い回される感じである。

私がマイコンの原稿を書き始めたころは、出版社指定の原稿用紙に、鉛筆と 消ゴムで何度も直すもので原稿用紙を真っ黒にしたり、穴をあけながら書いた ものであり、出来上がったら郵送し、校正用のゲラも郵送で送られてくるので、 出しても1週間前後はかかった。なのに、数時間後にはレイアウトまで済んで いるゲラが投げ返されてくるので、一休みする暇もない。レイアウトの速度は、 DTPの普及で本当に1桁以上ペースが上がってしまっているが、原稿を生成 するスピードは殆んど差がない。それどころか、速度が落ちているのではない かと思える状況であり、何とかしなければならぬ。

ところで、私が偶然にも関係している会社で、今頃になって新卒募集をやっ ている。平成12年春の卒業予定者の募集なら普通だが、今年の春採用予定者 の募集をやったのである。まあ、あまりに遅いのである。今頃になっても就職 先が決まっていない者がいるとは考えられなかったのであるが、人手不足が激 しいこの業界では、若くて、体力があって、まだ頭も柔らかくて、そして給与 が低くても良い者が望まれるのは当然である。

今更募集したって、とは思ったが、偉い方々は募集をしたがるので、担当者 が大学や専門学校を今更ながら回って、会社案内等を置いてきたらしい。ご親 切にも、就職担当者が、「まだ売れてないのは残りもんだからなぁ」という心 のこもった忠告まで親切にもしてくれたのである。

それからすぐに、就職希望者が大量に押し掛けてくるようになってしまった。 私は地下室の隅の窓際族を決め込んでおり、JAVAパズル設計生産完全自動化シ ステムの研究開発でも行おうかと決めていて、とりあえずその部署では、LAN ケーブルの製作の上手下手とか、パズルを解くだけの知能は有るかどうかとか、 コーヒーの入れ方がどうか、3次元お絵描きができるか、メールが1日500 通を越えても耐えられるか程度の判断くらいしかやっていない。地下室のメン バーは、何とかこの程度はこなせるようである。

私自身、面接というのを受けてどこかに入社したなどという経験はない。仕 事はそれでもやってきたが、誘いを受けて、やるか、逃げるかを選択してきた だけである。だいたい私の周囲の者は、殆んどがそうなんだが、この世の中に は面接だ、入社試験だと面倒なしきたりが好きな連中が残念ながらまだ生き残っ ている。

どんどん面接希望者が押し寄せるようになったのであるが、地下室にいると その都度呼び出されてしまう。何とか口実をつけて、そういう苦手科目からは 逃げ出したいと思っているのだが、まだよい逃げ方を発見していない。

面接には、リクルートスーツを来てくる者が多いが、何故なのだろう。 スーツで判断しない『オキテ本』にも明確に書い たはずなのであるが、いまだに世間はそのようである。もちろん、スーツが必 要な場合もあり、そういう時には前もって連絡するのである。

さて、面接であるが、情報処理関係の学科の人々であるにもかかわらず、あ まりコンピュータをやっていないようであり、唖然とした。学校って、いった い何を教えているんだろう、おかしいとしか言いようがない状況であった。ま あ、学校で先生の言うことを真面目に聞いていたのかも知れないが、数年間も の勉強で身についていないのが不思議である。

学校の教育内容が馬鹿馬鹿しいので逃げ出したとかいうのなら期待もできる のだが。学校とは、先生から教えを受けるのではなく、生徒は先生に新技術を 教え込むのが勉強というとても正しい考えを発言するものも一人もいなかった。 「頑張ります」、「体力に自信があります」、「勉強します」とかいうのばか りが多かった。ここに期待する答えは書かないが、「勉強します」は無いだろ う。それは学校でやることなんだが。

ということで、地下室採用の可能性のある者は、一人も現れなかった。間違っ て採用なんて言ったら、私自身が地下室から追い出されてしまう。

これとは別に、地下室の秘書を平行して募集していた。こちらはまだ書類選 考が済んだだけであるが、とてもレベルが高く、新卒とは比較にならない。書 類選考に残った人々は、全員が複数の技術なり経験なりを持っているのである。 概して、男性の応募者はレベルが低く、女性の応募者はレベルが極めて高かっ た。どうしてこんなにも差があるのか不思議である。

もう、新卒追加採用はどうでもいい。もっと大切な地下室秘書の面接につい て時間を裂きたい。新卒追加採用の面接は、高等教育機関と一応呼ばれている ところの実態の一部を知ることができた。同じ新卒でも、昨年の夏頃に来た者 はもっとちゃんとしていた。「残り物」と言われた意味を今噛みしめていると ころである。


ホームページ目次前の話次の話