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『Cプログラミング診断室』復刻仕掛け人に会っちゃった

1999年9月14日

先日の日曜日、娘がマシンの調子が悪いなどというので、また想像を絶する ような使い方でもして、普通は壊れないものを壊されたかと思って直してやる ことになった。で、とりあえず不具合を見せてもらわねば何をどうすれば良い のかも分からないので、とりあえず娘に操作させて、目的の動かない状態を再 現してもらうことにした。

その操作の途中に、ヤバイものを見てしまった。どうも、娘もHTMLファイル を作って遊んでいるらしきことが分かってしまったのだ。机の上の本棚の中に、 確か息子のところに置いていたはずのHTMLハンドブックもあった。家庭内に HTMLファイルが蔓延しだした。まったく困ったことである。たしか、学校では 教わっていない、ということで安心していたのだが、誰に似たのか、勝手に作 成するようになってしまった。まだ、Muleを使ってホイホイ作ってはいないら しいのがせめてもの救いである。


『Cプログラミング診断室』 は、最初は雑誌に連載していて、それが本になったのであるが、あっという間 に廃刊になってしまたのであった。一応、世間をそれなりに騒がしたし、これ でまあいいか、と思っていたのである。

それが、どういう訳か、 書泉ブックタワーというところ が絶版本を積極的に売り出したのである。全国の書店からもう売れないという ことで出版社に戻された本を、1冊残らず書泉が引きとってしまったのである。 出版社の人と飲みに行った時に、そういう話を聞かされたのである。書泉という 本屋は、東京へ来て以来、ずっとお世話になっている本屋である。神田神保町 へ行った時は、まず間違いなく立ち寄る書店である。もし、書泉がなかったら、 今こうしてコンピュータを使う仕事や遊びをしていなかったかも知れない、それ ほど重要な書店である。

書泉が、戻って来た本を全部引きとっていたのだが、偶然倉庫の中から見つ かった本もことごとく引きとって行ってしまったという話も編集部から聞いた。 それからしばらく経って、本が復刻したのである。書店の圧力に、出版社が負 けたのであろう。内容が変わった訳ではないし、内容も古いのであるが、復刻 後も増刷を繰り返し、現在6刷まで進んだ。

この不思議なことを行なった書泉の人が誰であるかは、比較的早い時期に編 集部から聞いていた。書店界では非常に有名な方で、どんな本が売れるかを出 版社がお伺いを立てるような人である。書店という販売の現場で、どんな本が 売れ、どんな本が売れないか、というより、どういう本がロングセラーになる か、そういうことを販売現場で知っている人である。

そういう人に会えると言うことで、のこのこ出かけていった。顔は知らなかっ たのであるが、メールはもらったこともあり、それに書泉のコンピュータ関係 のコーナーをやっているというか、そういう人というだけで十分に会う必要の ある人である。

会って、色々話はしたのであるが、復刻のお礼を言うのをすっかり忘れてし まった。どういう本を作るべきか、たとえば、あの記録的な刷数になっている 『プログラミング言語C』は、どこの出版社も引き受けなくて、最後に共立出 版社がやむなく引き受けたら、この本を知らなければプログラマでないという くらい有名でかつ超ロングセラーになってしまった。その他にも、何冊かそう いう運命をたどった本の話を聞くことができた。『Cプログラミング診断室』 も、そういう数奇な運命をたどれることになった好運な本となったのであった。

それにしても、コンピュータの中級書以上の本は訳書が大部分である。日本 語情報処理の本までが訳書という始末だから、まあ困ったものである。良い本、 コンピュータ業界、コンピュータ教育に一石を投じるような本は本当に少ない。 外国だと、本を書くというと相当便宜をはかってくれたりするものだが、日本 では本を書くということの評価が非常に低い。良い技術書を書けば、論文10本 よりも高い評価を受けて当然と思うのだが、そういうことは全くない。

先日、通産省が、天才プログラマに1億円を支援するという記事が流れた。 目指すは第2のビルゲイツのどこが天才プログラマなのかはさっぱり分からぬ。 そんなに金が余っているなら、優秀な本を書いた人にプレゼントしたらどうだ ろう。1冊の優秀な本は、何百人、何千人の優秀な技術者を育てることになる のであるが、そういうことが通産省に理解できるようになるのはいつのことな のだろうか。


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