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年2倍成長企業初心者のために役立ちそうな経営書は無いらしい

2001年3月6日

某社は、この土日に本社とかいうものの引越しをしたようである。 少し荷物を放置していたのであるが、地下室までもってくるのも面倒なので、段ボール箱につめておいた。

また、その前に、地下室分室なるものもできたのであるが、まあ地下室居残り組みとしては とくに何もすることはない。ちょっと部屋が広くなって、でかいパズルを広げて延々と解く 楽しみがあるくらいである。

本社の引越しが行われる日、下見に行ったら、インターネットとの接続が切れてしまったら 自分の生命線も切れてしまいそうな人々がサーバー群の移動に携わっているので、いろいろ手や 足を、そして妙な方向に頭を使って、切断時間を最小にしようと涙ぐましい努力をしていた。 一気に移すと、切断時間が長くなってしまうので、一時的なサーバールームを会議室の中に でっちあげていた。

そして、当然こういう移動を行うと、発生するに決まっているのがマシントラブルである。 某社は、まだ出来て数年の会社なのであるが、486マシンを始めたくさんのマシンがある。 第1号サーバーは、私が貰った部品などを組み合わせて作った486マシンなのである。 そして、トラブルが発生するのは、そういうもう壊れても仕方が無いと思うようなマシンではなく、 比較的最近購入したマシンが壊れるのである。サーバー群の中の1台が、どうやっても立ち上がらなくなって、 急拠新しいマシンを手に入れたようである。

某社配線部の人々は、200mのLANケーブルの箱をいくつも使って、ケーブルの太い束を、 部屋の周囲にぐるりとはわせていた。しかし、困ったことに、サーバールームを思いっきり しっかり作ってしまって、ケーブルを通す場所がないので、壁の上を通すとか、いろいろ 考えていたようであるが、結局、サーバールームを仕切るためにわざわざ作った壁に大穴を 開けて通すことにしたようである。せっかく作った壁であるが、もう元の形をとどめていないのである。 壁の寿命はたった1日であった。

まあ、某社は、こういうふうに引越し作業をするのが大好きな人間が集まっているようである。 世間では、ネットワーク屋とかいうらしいが、作業は、ほとんど土方というか、鉄筋工とかと違いが ないような気がする。まあ、実際には、システムの構築とかいって、コンピュータの中をいじる 作業もあるらしいが、周囲で見ている限り、そんなことは良く分からないのである。 単なる肉体労働に見えてしまうのである。

さてさて、この某社でも、なんだか知らないが、ビジネスモデルがどうのこうのとか、 IPOとか、ストックオプションとか、資本政策とか、経営に関するらしき初心者にはさっぱり 分からないことも上層部の方ではささやかれているようである。 ずっと傍観していたのであるが、ときどきぼーっと眺めていたら、そういう分からない ことを手伝わされたり、いろいろしなければならなくなることが時々発生するようになってしまった。

この会社、どうも毎年何でも倍々にするのが好きらしいのである。 まあ、初心者にできることといったら、プログラムの速度を毎年2倍に改良することくらいが 限界である。これなら、コンピュータを毎年最新のものに置き換えるだけで、速度は2倍になる と思われるからである。しかし、この手も、数年たってしまうと、新しいコンピュータに古いソフト が載らなくなってしまうという恐ろしい事件が待っていることがよくある。

某社の何でも毎年2倍と言うのはそういうことではないらしく、売上高を毎年2倍とかという、 ちょっと無茶な要求なのである。まあ、売上高2倍で、給与が2倍なら頑張ってみようかとちょっと だけ考えてみたが、仕事も2倍になってしまうので、結局人も2倍に増えるらしい。 それでも、規模のメリットとかもあって、利益は2倍以上に増えるらしいのだが、引越し費用が やはり増えてしまうので、給与はそれなりの伸びに留まるようである。どうも儲かっているのは、 不動産屋や引越屋だけのような気がする。

ということで、引越しにより面積は増えたのであるが、人もどんどん増えて来て、 さあどうするなんて話しになってしまい、どうやって、この毎年2倍の鼠算的な成長問題 を解決するかに悩まされることになってしまったのである。 まあ、今回の引越しで、社長室が倉庫番状態になってしまったので、これではちょっと困ったと言うことで、 次の移動先を今から物色するということも必要になるのではないかと思っている。

そんなこんなで、初心者の無学無教養非常識では対処することはできないと思い、 毎年2倍問題を解決するための解法書を入手しようとして、書店に行ってみた。 本来ならば、何か調べたいと思ったら図書館へ行くのが筋であろうが、日本の図書館にそれは期待できない。 それで、新宿の大手書店、つまり紀伊国屋書店に行き、滅多に足を踏み込まない経営書のコーナーで あれこれ探した。どの棚にどのような分野の経営関係の本があるかを把握し、それからこれはと思う 本の立ち読みをするのである。

しかし、立ち読みどころか、ぱらぱらとめくっただけでうんざりするような本が多いのであった。 過半数の本は、駄目な会社を何とかする方法の類が多く、毎年2倍なんて言葉は決してでてこないのであった。 中身は駄目なプレゼンを、見かけだけを繕う方法とか、まあそれに近い本が半数以上だったような気がする。 こんな本を読むと、ますます景気が安定急降下するに決まっていると思われる本の氾濫であった。 一般向けのビジネス書だけならまだしも、ベンチャービジネスとか、ITとかいう本でも、 内容は似たようなものか、だれかの成功話を取材して書いた程度が限界のような感じであった。 1年前に探した事業計画に関する本の調査のときと、 状況は何も変わっていないのを再確認しただけであった。

小手先の技術とかを書いた本が実に多い。そうでない本でも、参考例というのが、やたらに成長率の設定が 低いのである。年2割とか3割とかが経営プランの一般的な急成長モデルらしいのであった。 そういうのを眺めているうちに、毎年2倍といっている某社の方がおかしいのではないかという気も したのであるが、しかし、設立以来毎年2倍をどうもやらかしているようなので、毎年2倍というのも 事実らしいのである。

しかし、全部をボツにしてしまっては、何の情報収集にもならないということで、 最後には極めて適当なところで妥協して、何冊かの本を購入して、斜め読みしたのである。 1冊読んで、まあ数ページくらいは参考になりそうなことが書いてあるのは発見できた気がするので、 効率は1%程度に過ぎないが、0%ではなかったので我慢するしかないのであろうか。

という訳で、今も延々と本を探し続けているのであるが、これはという本は見つかっていない。 年2倍のゆっくりのんびり独立系勝手路線の安定それなり成長の会社で起こる様々な問題を解決するのに 参考になるような書籍はないでしょうか?


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