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角錐の体積はなぜ底面積×高さを3で割るのか

2004年1月10日

入社試験で「正四面体の体積を求よ」というのを出題したことを書いたことがある。 結果はさんざんだったのだが、さらに気になったことが出てきた。

円錐にしろ角錐にしろ、底面積×高さの1/3が体積になるという。 小学校や中学校で公式をして覚えさせられた筈だ。 しかし、そのときちゃんとした説明はされず、 「もっと大きくなったらどうしてか分るからね」と言われたような気がするが、 遠い過去のことで、よく覚えていない。

理由をちゃんと説明せず、頭ごなしに公式を覚えさせるというのは、 暴力となんら変らない危険な行為ではないかと思う。 ここで、「なぜ3で割るの?」と疑問を持たなかったら、それはおかしい。 この疑問にちゃんと答えるのが正しい教育、望ましい教育。 まして、積分すればそうなるんだよ、なんてのは小学生や中学生を冒涜している。

そう思うと気になって、大型書店に行って、小学校と中学校の算数および数学の 参考書を片っ端から見てみた。殆どは、頭ごなしに「公式だから覚えろ!」 という方針であった。どらえもんの算数は、底面積と高さが同じ角柱と角錐を 作って、水を使って、角錐3杯分の水が角柱に入ることの実験になっていた。

頭ごなしに公式を覚えさせるのに比較すれば随分まともだが、 これでは、正確に3なのかどうか分らない。概算にしか過ぎないし、 論理的ではないので、すっきり感はないだろう。

あとは、積分すれば出るなどと説明しているのもあった。 それでは、ごまかしどころか、小学生には理由は分らないで良いと宣言しているようなものだ。 そんな本を書いていても教育者とみなされる日本は、もう無着苦茶だ。

いろいろ探しているうちに、1冊、三角柱を頂点を通過する平面で同体積の3つの 角錐に分ける方法が説明されていた。こういう説明でなくては駄目だ。 (説明省略:ネット上に解説色々あり)

文部科学省の新基準では、小学校では、錐体の体積計算は、 教える方法を思い付かなかったからか、教えないことに決定した。 きっと、教える内容以前に、 教える人間のレベルがどんどん下っているのが教育低下の原因だろう。

私は、正四面体の体積を、立方体の4つの角を切り落して求めることを思い出し、 そのため、立方体を3つの同じ形の四角錐に分るのを風呂の中で思い付いた。 やり方は色々あるが、多角柱をスパッスパッと平面で切って、 同じ体積の錐体3つに分けられればいいだろう。 あとは、これを小学生、中学生に分るように、ちょいと丁寧に説明すれば済むだろう。 実際に模型を作るのも間単だ。

さて、ここで、三角形の場合と比べてみよう。 三角形の面積は底(底辺の長さ)×高さを2で割るので、2が出てくる。 ということは、 底(平面図形では長さ、立体図形では面積)×高さを次元数で割れば良さそうであることは、 すぐに見当がつくであろう。 ということで、n次元の錐体の場合は、nで割れば良い。 これは、n次元立方体を、3次元の立方体を3つに分けたときと同じ方法で、 n個の同じ形の錐体に分られることでわかろう。

それにしても、本屋で立読みしたら、さっぱり説明が見つからなかったが、 インターネット上では、以上の説明したことが簡単に見つかった。 教科書を捨て、インターネットで勉強した方が効果的な世界になってしまったようだ。


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