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フレミングの法則を捨てて電磁気を正しく理解しよう

2008年7月10日

理科、それとも物理の時間だったか、「フレミングの法則」というのを学んだ者が 沢山いるのではないだろうか。私は一応理系だったが、私の行った高校では、 なんと「フレミングの法則」は禁止であった。まあ、高校のレベルがレベルだったので、 教えるのを諦めていたのかも知れない。

まず、フレミングの法則には、左手の法則と右手の法則があり、これが混乱をもたらす。 左手が電磁力で、右手が電磁誘導というのを暗記して、さらに、親指、人さし指、中指に 電流、磁界、力(または電流、磁界、移動方向)を割り当てるのである。 この組み合わせをしっかり憶えないと使えない、暗記力を必要とする法則である。 (皆さん、左右を間違えたり、どの指か間違えたりしませんでしたか?)

高校の理科で、物理と化学を選択したのだが、これは、暗記が不要のから順番に選択したら、 必然的にこうなってしまったのだ。生物も遺伝、遺伝子などはとても好きだったのだが、 動植物の分類などはとうてい記憶することができそうにもないので、捨てた。

記憶しない方針で物理をやっていたのに、「フレミングの法則」という極めて混乱を極めるような ものを憶えるのは耐えられない訳だ。でも、さいわいなことに、高校の方で捨ててくれた。

私の行った高校では、生徒の能力を考慮して、「右ネジの法則」だけを憶えさせた。 この法則は簡単である。右手だけだし、電流と磁界だけ。 つまり、単細胞な脳には丁度良いのだ。フレミングの法則と比較すると、 大きく違うのが、「力」がないことだ。

入試に出される問題には、「フレミングの(右|左)手の法則」を使うことを 意図したいやらしい問題も出される。 たぶんん、今もそうかも知れない。 しかし、こっちはそんな法則を知らないので、 いつも「右ネジの法則」を使って解いていた。 もう遠い昔のことであるが、「右ネジの法則」だけで困ったことはなかったのである。

どうやって、「右ネジの法則」だけで済ませていたかは、 いま直ぐには思いだせそうもないので、ここでは省略する。

私の経験だけで、「フレミングの法則」は不要と叫んでも、信用力がないだろう。 それで、世界のちゃんとした電磁気学の教科書ではどう書いているのかと思って調べてみた。 そこで選んだのが Pearson International Edition の中の "Electromagnetics for Engineers"である。 偶然手元にあったということもあるが、Pearsonなので信用できるのではないだろうか。 著者の Fawwaz T. Ulaby はIEEEのフェローのようだ。

この本には、多数の電磁気学、通信工学に関する発明発見をした人々の名が連なっている。 しかし、フレミングさんはいないのだ。もちろん、マックスエルさんというか、 マックスエルの方程式を中心に、様々な電磁気現象を説明している本である。 右ネジの法則のアンペールさんはちゃんといる。

つまり、フレミングは海外では教えていないのかも知れない。 もしかして、多くの学生の頭を混乱させるために、「フレミングの(右|左)手の法則」を教え、 試験の最中に、あの独得な奇妙な手つきをさせることに貢献しているだけなのではないだろうか。 そんなことをするから、日本の理科離れがますます進んでしまうのではないだろうか。

(Wikipedia)には、 1880年代に法則が発表されたのだが、既知の法則を憶えやすくするために手の形にしたとある。 要するに、暗記して、手っ取り早く問題が解けるようにしようという受験勉強用の法則だったようだ。 試験で良い点数をとるための法則は廃棄処分にしよう。 それよりも、本当に基本となる少数の法則だけ憶え、 あとはきちんと導けるようになっておくことが正しい教育だろう。暗記の強要は最悪だ。

憶えることを強要されない高校でよかった。


我輩は猫である


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