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オープンソースをやりたいのですがどうすれば良いでしょうか?

2008年10月27日

今年の夏だったと思うが、某国の経済および産業を司る役所関連の独立行政法人とやらから、 オープンソースに関するアンケートがやってきていたので、 これは熱心に答えるべきかと思ったら、やたらに事細かに書かれていて、 こんなに細かい事まで書いていられねえと思って、それなりに書いて出した。 こういうアンケートは、多くの場合、忙しい時期にやってくることが多いため、 そのままにしてしまうことも多いのだが、 最近は、何とか会とかの末席に座らせられることもあって、できるだけ出すようにしている。

前回の某国の会合は、世界恐慌が起きようと、会社がどうなろうと、 そんな細かいことを相手にしていられない緊急事態だったので、 いくつかあった春の会合、会議など全部吹っ飛ばしてしまった。 それで、ちょっとまずいかと思って、アンケートにそれなりに答えたのであった。

もう何を書いて出したか完全に忘れたころに、アンケートを整理している部署からメールが飛んできた。 メールアドレスとか、タイトルとかを見て、「何かまずいことを書いてしまったかな?」と思ったのだが、 メールの内容を見てから考えることにして、メールを読んだ。

「もっと詳しく話を聞きたいので、訪問しても良いか?」という内容であった。 ダメだと断るのも悪い(そもそもそんな勇気はない)ので、とりあえず日程を調整して会うことになった。

しかし、何でいちいち企業訪問までするのであろうか。 勝手にあれこれ考えてもさっぱり分からない。 某国は、オープンソースを推進しているし、 「自治体にオープンソースソフトウェアを導入しよう!」なんて小冊子を作ってばらまいていたりする。

そして、当日がやってきた。2名の調査官(?)が調べに来た。 まあ、警察とか、税務署とか、その手の者ではなさそうなので、あまり用心もせず、あれこれ話をすることにした。 オープンソースなので、そもそも隠すようなことが見当たらない。

で、話を始めたら、最初の質問が、「オープンソースは儲かりますか?」というのであったが、 もちろん「儲かるわけないです。食えないけれども、おもしろいからやっています」と答えるしかない。 でも、本当は、オープンソースをやらないと体調を崩す人間とかもいるのでやっています、というのが本音だが、 言わなかった。

それでも、色々聞いてくる。「では、どうやって経営が成り立っているんですか?」 もちろん、答えは簡単で、「おもしろくない仕事もやってます。だって、食べないといけないから。」 ようするに、何でもやって、何とかなっているたけに過ぎないのである。 実際の社会って、そんなものではないだろうか。

「どうしたらオープンソースができるようになるんですか?」という話になった。 しかし、こういう質問に答えるのは難しい。まったく、オープンソース教育をやっていない。 オープンソースというのは、技術者がやりたくて勝手に始めるものと思っているし、 社員を見ても、その他の知り合いを見てもそういう人しか知らないので、 そのような質問の答えは用意していない。 しかたなく、「会社としては特別なことは何もしていません。 社員がやりたければ、時間外でも、土日でもオープンソース活動をできるようにしています。 それだけです。まあ、会社はオープンソース活動に邪魔しないということですね。」 これでは、期待していた答えにならなかったかもしれいない。

それよりも、オープンソースで入社したい人がいた場合でも、オープンソース以外絶対にやりませんとか、 研究とか、アカデミズムに凝り固まっていると非常に困るので、 いろいろなことをやるので、オープンソースも、そうでないことも色々ごちゃごちゃやることになると思いますが、 それでも大丈夫ですよね、と念を押すことは忘れないようにしていることを伝えておいた。

ビジネス的なことも聞いてくる。「オープンソースの割合をもっと増やしたいですか?どのくらい増やしたいですか?」 というような質問があるが、「今ぐらいでちょうど良い加減です。増やす気も、減らす気もありません。」 としか答えたら、変な顔をされたが、最後は納得したようだ。

最後に、しつこく、「社員がオープンソースをやりたくするにはどうすればよいですか?」と聞いてきた。 「うちは、やりたい人間が集まってきて、オープンソースをやるようになっただけなんです。 会社がオープンソースをやりたければ、そういう人を集めればいいんじゃないですか」、と答えたが、これも期待とは違ったようだ。

う〜む、世間では、どうやったらオープンソースソフトウェア技術者を増やせるかで調査したり、 あれこれやっているようだということは分かったが、 コンピュータの仕事を始めて以来、そういう考えを持っている人間と遭遇したことがなかったので、 話はほとんど平行線というか、延々と間が開いていっただけのような気がする。

という風に、未知との遭遇があったのだが、何か調査団には得るものがあったのだろうか?

インターンシップ体験記


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