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パズルオタクによるのパズルオタク向けのオタクパズルからの脱却

2009年3月5日

なんと、前回は1ヶ月も前になってしまった。何とも忙しい今日このごろである。 世間は不況が吹き荒れて、仕事が激減し、退職する人、退職させられる人が大勢いるようだ。 実際、同窓生などからそういう連絡がしばしば入る時代になってしまった

しかし、こっちはとんでもなく忙しい。どんどん加速度的に忙しくなっているような気がする。 いろいろな仕事が忙しいのだが、とりわけパズルは忙しくなりつつある。 不景気で、金のかからない遊びを求めているからであろうか。 1時間あたりの経費でいえば、パズルは極端に安いはずだ。他のほとんど遊びに比較して、1%以下のはずだ。

実際、作成したナンプレ本の2冊目も売れ行きも好調のようだ。 特別に美しく難しく安い本なので、ひまつぶしには最適だ。人にもよるが、普通のパズラーなら1冊で1ヶ月は十分遊べるだろう。 もちろん、こんなことが実現できる裏には、超高性能な自動生成エンジンが作られたからである。 パズル作家に絶対に作れないレベルの問題をどんどん作るのは当然のことである。 もう将棋は、名人をコンピュータが負かす日は近い。コンピュータが人間以上になるのは、 様々な分野で当然で、次は囲碁が狙われているが、こちらはもうちょっと時間がかかりそうだ。 パズルも当然で、ちゃくちゃくと自動生成が増えている。もちろん、まだまだ駄作しかつくれないプログラムが多いが、 次第に自動生成した問題がパズル作家の問題を凌駕するのは間違いない。

しかし、1つ大きな問題があるのは理解しておかねばならない。 コンピュータ、アルゴリズムに詳しければ、パズルの自動生成が作れると思う人も多いと思うが、それは大間違いだ。 パズル作家と少なくとも対等でパズルについて語れる、作れる能力があり、その上でコンピュータ、アルゴリズムに詳しい ことが要求される。これは、囲碁、将棋はもちろん、業務用ソフトも含めあらゆる分野で当然のことだ。 コンピュータ、アルゴリズムさえできれば何でもできると思うのは、相当なバカというか、浅はかである。

パズルブームがまだ続いているのだが、今続いているのは、古いタイプのパズルが多い。 パズルといっても、パズルマニア向け、パズル病に罹ってしまった人のためのパズルの1つ、ナンプレが とりあえず一般の人にも受け入れられ、遊ばれている状態だ。 これをパズルブームと世間は言っているが、そんなものパズルブームとは呼びたくもない。

今のパズルを分析すると、ルールを難しくしてルールを理解すること自体を困難にさせ、 パズル作成者やパズル会社の自己満足から抜けていない部分がとても多い。 コンピュータでいえば、まだパソコン、パーソナルコンピュータという用語すらない、 マイコン、マイクロコンピュータという用語だけあった時代と同じ段階、 要するに、やっと第1次のパズルブームが来て過ぎつつある、 あるいはやっと黎明期を抜け出しつつあるといった段階ではないかと思う。

さて、本題に入ろう。パズルは、ルールを難しくするのは不味い。 そういうのは、パズルの本質を理解し、もっと奥深い、深みのあるパズルを作る能力がない者が、 かってにルールをいじくり回して、人を混乱させて、優越感に浸っているだけのしょうもない自己満足の世界だ。

ルールが簡単で、奥が深い。こういうパズルを考案できて、本当のパズル作家だ。 1つのパズルで、やさしい問題から難しい問題まで、要するに、入門、初級、中級、上級、弩級(超難問)を 連続的に作成可能であることが望ましい。 ルールの複雑度でいえば、ナンプレよりも簡単で、難易度の幅があり、多数の手筋が存在するような、 そんなパズルこそ優れたパズルである。

このところ、そういうパズルを目指して、考案し、実証実験をいろいろなところで試している。 既存のパズルとはまったく違う、新しい、もっともっと間口が広くて奥が深い パズルを何とかしようと思っているというか、すでにかなり実証実験も進んでいる。

もちろん、そういうパズルを考案するだけではない。考案しても、問題作成コストがかかってはどうしようもない。 安く、どんどんおもしろい問題を、気の向くままに作れる、それもほとんど瞬時に作れることを目指している。 難しいのは、「おもしろさ」である。これは、ものすごく難しいが、1つ面白い傾向をナンプレで発見した。 それは、問題作りで、中途半端ではなく、究極まで突き詰めた作り方をすると、意外と勝手に面白いのができるのだ。 しかし、それには、かなり偶然が含まれているので、もっと意図的に、仕掛けを入れた様々なパズルを作らないと、 実際には遊んでもらえない訳だ。

とくに、鉛筆(シャープペンシル)を使って解く、いわゆるペンシルパズルと呼ばれる問題を、 根こそぎ変えたいというか、変わらなくっちゃ、パズルの世界が煮詰まってしまっていると思う。 一部のパズラーの自慢大会みたいになっていてはどうしようもない。 もっともっとパズルの世界は広いのに、わざと狭めて、これでは自分たちで首を締めているようなものだ。 新しい、新次元のパズルを育てなければと思っているこの頃である。

ナンプレの問題もいっぱい作って提供しているが、これは最初の一歩というか、その程度のものである。 やりたいことは、それとはちょっと違う、もっともっと広い世界である。 この、非常に広い世界については、そのうち気が向いたら書こうと思う。


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