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世のプログラムを良くするのは不可能なので、パズルを良くすることにした

2009年7月30日

うん十年前、当時の最新のマイコン・パソコンで好きなだけ遊べる、 さらには海外メーカーの研究用コンピュータも使いたい放題という言葉を うかつにも信じ込んでこの世界に入り込んでしまった。

確かに、そういうことは実際に実現し、それなりに面白かったのであるが、 仕事ということで、いろいろなプログラムに付き合わされるハメになった。 動かないくらい可愛いもので、プログラムを見ただけで頭痛、吐き気を催すようなものもしばしば存在した。

昔は、まだそういうものが直せると信じて、『Cプログラミング診断室』なる書籍を迂闊にも書いた。 最初はプログラミング技術だけと思ってそんなこともしたが、もっと根が深く、 業界の構造に問題があるのが原因だと気づき、『コの業界のオキテ』というコ(=コンピュータ)業界の オキテを破った本も書いたりした。インターネットについてもだ。

しかし、そんなことで、世の中改善するようなことはないのである。 その後も、プログラムは暴走し、たぶんニュースにもならないところで、多数の事件が発生しているはずである。 まあ、日本の組織は、隠蔽工作に長けていて、そこから漏れ出した部分だけがニュースに流れていると考えるべきで、 実際のトラブルは、報道発表の10倍、いや100倍はゆうにあるのではないかと思う。

プログラム、システムのバグ、トラブルで、事故が起きている。 システムはどんどん巨大化し、複雑化し、事故の規模も当然大きくなる。 プログラムは、不完全な人間が作っている以上、これをなくするのは理論上不可能だ。 あきらめるのが一番正しい判断だ。これ以上考えてもしかたがない。 不可能に立ち向かうのはやめて、自分に直接振りかかってくる災難だけを避けることに専念しよう。

さて、コンピュータシステムの不出来は諦めることにし、パズルの不出来を何とかすることにした。 パズルが不出来というと良く分からない人もいると思うが、実際、パズル雑誌やパズル本で、 その問題の質の差は、プログラムの差と同様、あるいはそれにも負けないくらい差がある。 面白いかどうかだけでなく、堂々と複数解あるかもしれませんというものまであるらしい。

一応日本国内で発売されている商用パズル雑誌に限れば、とりあえず複数解でも何でもありという 悲惨な状況は避けられているが、問題の作り方にめちゃくちゃ問題があると思われる雑誌も少なくない。 まあ、解けば解くほど頭が悪くなるのではないか、 というか問題見ただけで頭痛が襲ってくるようなものもある。

これを何とかしようと、去年くらいから、ぽちぽち対応を始めてきた。 まだナンプレ(数独)だけだが、頭が痛くならない問題の提供を始めている。 もちろん、量が多いし、パズル作家の通常の問題作成料金よりも安く提供しようとしている。 実際、本や雑誌も、今までコンピュータ関係で出したペースを上回っている。

これからも、毎月締切りがあって、毎月本やら雑誌やらが出て行くことになる。 しかし、なぜか、プログラムとは縁が切れない。 というのも、問題の自動生成から、その後の処理まで、できるだけプログラムで自動化しようとしている。

自動生成で良い問題を作るのが大変だと思うが、実はそこは慣れれば、それなりに、 十分パズル作家以上のものができる。 問題は、それが面白いかどうかの評価の完全自動化がまださほど進んでいない。 いろいろな傾向は自動判定できるので、良さそうなものを抽出することは可能だ。 そして、結局最後、ほんとに面白いかどうか詳しく調べる必要があるときには実際に解いている。 この、実際に解いたときの感覚という部分だけが、まだ克服できていないし、ここが一番難しい。

これら以外にもあるのだが、とりあえず、1冊まるまる作ったものだけを載せてみた。 まあ、着々と増加していくと思う。『究極!IQ』の方は、難問集、それも人間にはとても作れない水準だ。 何が作れないかというと、ヒントの数が平均で20個という、とても数字が少ない問題集である。 もっと少なくもできるのだが、そうなると解き味が単調になってしまうので、 バランスを考えてこのあたりにしている。 その他、いろいろな意味でコンピュータだからこそ可能なパズルの世界を提供し、 さらにパズルの世界のレベルアップをしてみようと思っている。

チェスはもうコンピュータの方が強い。将棋もプロより強くなるのは時間、それも数年の問題になってきた。 残るは囲碁だが、そろそろアマの有段になりそうだ。プロに勝にはまだかなりかかりそうだが、 それでも今世紀前半のどこかだろう。 だから、パズルの世界でも、パズル作家以上の問題を自動生成できる日が来るのは当然だ。 パズルも奥が深いが、それでも、近いうちに、自動生成の問題が大多数を占める、 それも非常に高品質の問題が占める日は近いうちに来るだろう。 なんだかんだと言って、人工知能、知識工学は、着々と進歩している。

さて、いわゆるプログラムの世界を卒業するというか、遠くから傍観することにしたので、 プログラムの泥沼の世界を抜け出せると思ったが、ちと甘かった。 自動生成なのでコンピュータを使っていて、色々と影響を受ける。 本当に困ったものだ。 いろいろな機能を実現しようとすると、腐った設計の相手をどうしてもしなくちゃいけない。 不平不満は、いつまでも解消しそうにない。

ナンプレ問題
自動生成


これで、今日から
貴方もパズル作家


稲葉のパズル研究室


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