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限りなくやさしいナンプレ超簡単解説書

2011年2月1日

パズルブームが何年も続いているが、ちょっとだけ傾向が変わってきたようだ。 一時のブームとは違い、じっくりとやる人、つまり本来パズルに向いている人が中心になり、 正常な状態になってきたようだ。 それから、予想通り、団塊の世代が増えてきたようだ。 やる人の割合がそれなりでも、総人口が多い、引退して無限の暇があるなど、 彼らはパズルに最適な環境にあるので、当然だ。

国内のパズル事情は、ブームからじっくりとした発展に切り替わったようだが、 まだそれに対して供給側がまだ十分な状態ではないような気がするのだ。

大きく分けて、2派(?)に分けられるのではないかと思う。 1つは、パズルマニアに焦点を合わせているグループである。 確かに問題の質はよかったりするのだが、人に分かる説明をするということはほとんどない。 これはパズルに限ったことではなく、どんな分野でもあることだ。

もう1つは、「これでパズルかね?」と思われるような 酷い問題を出しているグループだ。 まあ、ルール的には正しいが、 パズルに慣れている人なら瞬時に解ける (瞬時に破り捨てたくなる)ような問題だらけで、 初めての人にもすらすら解けることが多い。 ナンプレで言えば、数字がぐちゃっと30個以上、ときには40個くらいあって、 考えもなく見つかったのから書き込んでいけば解けてしまうという問題だ。 パズルに頭は不要というのを実践しているグループで、 ナンプレの雑誌や本の過半数を占める。 もちろん、脳トレにならないことは言うまでもない。

こんなことではダメ。それで、ちょっとナンプレの解説書を執筆し、 PDF版を公開していたのだが、この度、学研より印刷物としても出すことになった。

とにかく簡単であることをめざし、パズル用語はできるだけ排除した。 パズルマニアは、自分たちだけで通じる専門用語を使いたがるのだが、 それでは、パズルがすでにできる人たちしか読めないので無意味である。 重要なことは、ナンプレなんて、さっぱり訳が分からない人に、 訳を分からせる本をつくるという、 たぶん歴史上だれもやらなかった作業を行ってみたかったのだ。

ナンプレの手筋の解説は、ネット上に散乱している。 しかし、それだけ情報があっても、ほとんどプレイヤーのレベルが上達しないので、 単なる手筋の解説は意味がないのが明らかである。 個々の手筋をいくら解説してもダメで、問題をどのように解いていくか、 「考え方、方針」のようはより上位レベルを教えないといけないと痛感したのだ。

したがって、説明では、手筋と呼ばれているようなものは何も説明していない。 もっと基礎的な、あまりにも当たり前過ぎることだけをきちんと説明しつくし、 「調べ方」を丁寧に書いている。 手筋の勉強は入門書で説明するものではなく、 「きちんと調べる方法」を延々と説明するだけにした。 それだけで100ページほどを費やした本である。 普通は数ページも費やさない部分で1冊の本にした訳である。

言うのは簡単、書くのもなんとかなるが、 国会、国政のように、結果がまるで出ないのではいけない。 ということで、PDF版を公開し、実際にナンプレ超初心者に読んでもらい、 どんどん解けるようになるかを公開実験したのであった。

実験はうまく行き過ぎて、解説した範囲よりもレベルの高い問題を解ける人が出てしまった。 『IQナンプレ300』シリーズという、全部で300問ある問題集があるのだが、 この本の最初の100問がナンプレ超簡単解説書で説明した範囲なのだ。 なのに、200問あたりまで解き進んでしまった。 もう完全に中級者の領域に入ってしまったのだ。 手筋に執着している従来の解説はよろしくなくて、「調べ方」の基本を押さえることの勝利であろう。

ナンプレの問題、とくに数字が少なくクールで、美しくて、キュートで、 なおかつ解き味も良いものを目指している。 しかし、そういう良い問題をいくら提供しても、 解けなければ楽しいどころか、苦しいだけ、つまらないだけに終わってしまう。

だから、とりあえず解ける問題ということで、もうほとんどマスが埋まっているような 数字が40個くらいある問題を提供することが多くなっている。 要するに、解き方を教えず、 ルール以外何も知らない状態で解ける問題を提供していることが多くなっている。

こんなことでは、ナンプレ先進国どころか、ナンプレ後進国である。 そのために、非常に数字の少ないナンプレで、実は簡単に解ける問題を作り、 クールさ、キュートさ及び解き味を味わいながら実力を上げていける解説にしたのだ。

上級問題集でもやっていないような、 問題をつくる側に厳しい制限を設けて巻末の練習問題は作られている。 ナンプレ入門書の巻末問題集が、ヒント数平均20で、ヒント数18の問題も入っているというのは、 まちがいなく異常であろう。

ヒント数18の超簡単な問題をどんどん作れる能力を隠し持った上で、 ナンプレの問題集が作られるようになれば、 日本だけでなく、全世界のナンプレの問題はとても美しくなるであろう。 そのためにも、正しい解き方の普及は必要と思い書いたのである。

ナンプレ問題
自動生成


これで、今日から
貴方もパズル作家


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