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ネット時代に英語教師の英語力目標がTOEIC730点とは笑止千万(上)

2015年1月6日

インターネットが普及して、世界中の情報を居ながらにして見ることができる時代になった。 ちょっと前までは、動画はやや困難なところもあったが、今や、1時間程度のYouTubeのビデオなどは手軽に見られる。 世界各国の報道番組、テレビ番組、映画、実況中継はもちろん、大学などの授業、講演なども気楽に見ることができる。

日本では、書籍、とりわけ雑誌や専門書の出版がとても苦しい状況が続いて、 しっかりした内容の本は部数が出ないこともあり、出版することは敬遠されがちである。 しかし、海外では、有名な本が、ネット上では無料で読むことができることもかなり多い。 それらの中には、専門書、大学の教科書の類も多数存在する。

こういう便利な時代になったものの、これらの膨大な情報を活用しようと思ったら、もちろん日本語だけではかなり難しい。 インターネット上の公用語は英語であり、英語ができれば活用できる範囲が急に拡大する。 もちろん、レベルの高い本、情報になると、英語以外では得られないことが多くなる。

それ以外にも、英語あるいは外国語を使えることによるメリットは大きい。 日本では、まだまだ情報は当局にコントロールされがちだ。 コントロールがなくても、情報発信者が自らコントロールしてしまっていることも多い。 そのため、福島第一をはじめ、日本について知りたいと思えば、英語で情報を漁ったほうが真実が分かることも多々ある。

こういう時代だから、当然英語教育は重要だろう。 とくに、大学教育において、英語は当然であろう。 理工系だけに限っても、アジアの大学生に関しては、英語ができることは大学生であるための前提条件になっているようだ。

もうじきセンター試験があるようだが、日本の学校、とくに公立の中学高校の英語教育はどうなっているのだろうか。 自分が受けた英語教育は、今から考えると英語教育と呼べるようなものではなかった。 英語もどきでしかなく、教師の英語力がどの程度だったか、甚だ怪しいものであった。

しかし、それから数十年が経過し、海外へ仕事に、遊びに行く人も増え、英語を使う機会も増えているはずなのだが、 学校英語教育は進歩したのだろうか? 英語教員のTOEICの平均スコアが中学560点、高校620点という統計があるという。 それを裏付けるかのように、文部科学省は、 「英語教員が備えておくべき英語力の目標値の設定(英検準1級、TOEFL550点、TOEIC730点程度)」 という目標設定にしている。

しかし、この目標で、どうやって英語を教えることができるのだろうか? どう考えても不可能なのだが、こんなレベル、いやもっと低い能力の英語教師に、英語で英語を教えるというありえないことを推奨している。 それどころか、今の時代だったら、普通の大学生でもクリアしておくべき点数だろう。 この点数では、一般社員向けの採用で、書類審査で落ちる会社もあるレベルである。

(つづく)


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