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EPUBでの電子出版をしてみて(上)

2015年1月24日

出版に関しては、いままで何冊も出してきた。 コンピュータ、インターネットなどのIT関連書籍とパズル関連に大別される。

去年の暮れに、『実践遺伝的アルゴリズム』というのをEPUB形式の電子出版として出した。 これは、あるいみコンピュータ関連なのだが、遺伝的アルゴリズムをパズルに適用することで、遺伝的アルゴリズムの実践的な方法を説明している。 だから、まあ、両方の意味を兼ねているとも言えるが、分類としては完全にIT系、AI系の本である。

さて、このところ電子出版とか色々言われている。 なんだかどんどん伸びているように書かれていたりする。 まあ、電子出版の場合、自分で編集作業をやってしまえば、出版のためにかかる費用は限りなくゼロにできなくもない。 ということで、電子出版なら、まあ、誰でもやれるといえば、確かにそうである。

という世間のことはどうでも良いのだが、今回は、『実践遺伝的アルゴリズム』を電子出版としてせっかく出したので、 それについて書いてみようと思う。

書く前から、出版社はほぼ決まっていたようなところがある。 IT関係者なら知らない者はいないと思う、オライリー・ジャパンから出すというのは、自然に決まっていたのだ。 電子出版といえばオライリー、国内はともかく、シリコンバレーというか、アメリカ、世界では常識だろう。 という以上の理由が実はあったのだ。

世界で一番近い出版社が、オライリー・ジャパンなのだ。 地図で距離を計測すれば0mと出る。そのくらい近いのだ。 つまり、同じビルなのだ。 だから、オライリーの本が欲しくなれば、本屋に行ったり、アマゾンを利用するのではなくて、 ちょっとエレベータに乗ってオライリー・ジャパンに行って買ってくるのだ。 これが、オライリーから出た最大の理由なのだ。

パズルに関して何か書いて欲しいというのは前々からあったのだが、 せっかくオライリーから出すのだから、単なる問題集を出しても仕方がない。 ちゃんと、パズルの問題の自動生成の裏側の超秘密の部分を全部書いてしまうとかしないと面白くない。

それとは別に、パズルなどのアルゴリズムの研究集会があり、そちらでプレゼンするために、 新しいパズルでの問題生成についての発表をやっていた。 2年前に、コンピュータ支援で問題を手早く作ってしまう方法を発表していた。 しかし、コンピュータ支援というのは中途半端なので、当然のことながら自動生成を発表直後から開始した。 とりあえずの自動生成程度なら1週間程度でできていたのだが、パズル作家的工夫を加えていると、それなりに時間がかかった。

いろいろ実証実験を済ましたり、一部問題を提供したりしていたのだが、 この自動生成には遺伝的アルゴリズムを使ったのであった。 遺伝的アルゴリズム自体は、とくに目新しい技術でもなんでもなく、かなり古い本とか発掘すればある。 理論的なことを書いている本もある。 あれこれ多種多様な応用について書いている本もある。 でも、じっくりと実用レベルの結果を出すレベルまで詳細な説明をした本は存在しなかったのが、 この本を書き始める理由だったのだ。 世の中に既にあるような本を書いても無駄だし、詰まらないし、書く意欲が沸かない。


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