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十返舎一九

東海道中膝栗毛(上、下)
岩波文庫 黄−227−1、2
作者   十返舎一九
校注者  麻生磯次
初出   亨和2年〜文政5年
発行   1973年9月17日
頁数   上336ページ、下390ページ
価格   上520円、下670円
ISBN 4−00−302271−8(上)
     4−00−302272−6(下)

今回は、極めて真面目に、古典文学の紹介です。

日本において、奈良、平安の時代から現在に至るまでで、最も優れた文学作 品であり、あまたの人々に読まれつづけて来た、日本文学の最高傑作について の感想であります。

本書の内容、つまり『東海道中膝栗毛』とは、ようするに弥次さんと北八さ んが東海道を旅する話であることを知らない人はいないと思うので、内容につ いては省略しよう。

で、この本、江戸時代といっても、いちおう古典であるので、若干読みづら いので、私は約1か月かけてやっと読み終えたのであります。その間に、私は 東海道と山陽道の一部を2往復もしてしまったのであります。

さて、この本は、いうまでもなく『面白い』。なんたって、話が無茶苦茶で あるのが良い。なのに、中学校や高等学校の古典で読書指導してくれないのは どうしてなのだろう。こういう本を読んで、古典の楽しみを味わい、遠藤周作 氏というか、ぐうたらな狐狸庵山人のように、友人と二人で、実際にこの本に したがって旅をしようという風になると最高であろう。狐狸庵山人のユーモア は、こういう基礎の上に成り立っており、1995年の文化勲章に輝いたので あります。

やはり、内容について一言、言及するとすれば、世間に知られているよりも、 はるかに下品な話が多いことであり、だから、面白いのです。もしかして、こ れが教科書、特に古典でじっくりと取り上げられない理由なのであろうか。こ の本を課題図書とすれば、古典の力もめきめきとつきはじめると思うのだが、 いかがなものであろうか。

この本、ただ笑わせるでけではない。江戸時代の生活が、プンプンと臭いま でに鼻についてくるところもいい。なにしろ、汚い話が多い。私の文章も、い つになったらこのレベルに到達できるのやら、まだまだ文章修行を積まねばな らない。何事も、自然に書けるようにならなければ。

ところで、十返舎一九自身が、弥次さん北さん以上の奇人変人と思われてい るが、実は真面目であると伝えられている。しかし、伝えられていることはど の程度が真実なのかは結局は分からないのである。

この2面性、遠藤周作氏や北杜夫氏にもあり、私は現代文学ではそのあたり を読むのが好きである。(話がそれちまったかな)で、まとまりの悪いところ で終りにしよう。


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