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吉村葉子


書名お金がなくても平気なフランス人
お金があっても不安な日本人
文庫講談社文庫 よ−26−3
初出2003年10月、双葉社より刊行
発行2007年1月16日
頁数276ページ
定価533円(税別)
ISBN978-4-06-275632-7

びっくり先進国ドイツ』を読み終えて、 自分の無知加減を認識したところで、フランスに関する本を品川駅で見つけてしまったので、 入手して読みはじめた。大阪出張の往復で確実に読み終えられると思っていたのだが、 行きは眠ってしまって読めず、帰りにほとんど読んで、残りを東京の電車の中で読んだ。

学生の頃は、何の間違いが起きたのか気の迷いかフランスに興味を持ち、 フランス語やらフランス文化をかじったものの、食べないままで終っていた。 そして長い間に、ほぼ全てを忘れてしまったので、本書で思いだそうとした。

とういより、本書の題名に共感して読もうと思った訳である。 半分は知っている話題で、半分は知らなかった話題という感じの本であった。 その昔、何名かのフランス人は知っていて、彼らを通じたり、自分で勉強して知っていた訳だが、 あまりにも昔のことだが、基本的な生き方は変っていないんだと納得してしまった。

「フランス人はケチというよりしまり屋」ということで話が始まる。 日本では、本当に何をするにもお金がかかる仕組に社会全体がなっているが、 単に食って生きていくだけなら、ヨーロッパ社会はそんなに金がかからないことを本書でも感じる。

「フランスにはお返しがない」話がある。冠婚葬祭はあるが、あくまでも気持だけで、 日本の様に金を包んでいくとか、何かと金銭的なことを気にするような社会とはまるで違うようだ。 でも、冠婚葬祭にお金を使わなくなると、日本のデパートの多くは潰れるのではないかと思う。

食事、ファッション、バカンス、教育、ご近所つきあい、 これら全てについて殆どお金を使わないというか、金をかけないのが普通だという。 まるで天国ではないか。

日本では、なにかちょっと楽しく過ごそうとすると、すぐにお金が必要になってしまう。 昔は、田舎へ帰ったときは、財布も持たず、自転車や車でフラフラしていたが、 さすがに最近は田舎でも財布が必要になってしまった。 どんどん都会化し、金銭社会に染まりつつある。

本書を最後に、「この本を手にしてくださっている貴女に心からお礼を申します。」 という一文があり、本書は女性向けに書かれていたのかと、やっと気がついた。 振り返ってみると、確かにその傾向が強かったなと思ったが、 誰でも読めるし、誰が読んでもフランスの色々な側面が分かる本だと思う。

まだ、ドイツにも、フランスにも行っていない。 個人的には、どちらかというとフランスの方に行ってみたいものだ。 いつになったら行けるのだろうか。


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