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佐藤愛子/娘と私


書名娘と私と娘のムスメ
文庫集英社文庫 さ−4−41
初出1995年4月、立風書房刊
発行1997年10月25日
頁数238ページ
定価457円(本体)
ISBN4-08-748696-6

「娘と私」シリーズに、ついに孫までが加わったのである。とにかく、作家 の家に生まれようものなら、回りにいる人々は、常に原稿のネタにされる危険 があるのである。娘はもちろん、婿、孫までが利用される。

本書は、娘が結婚し、娘のムスメ、つまり孫が出来、孫にかき回される、孫 と戦う愛子先生のエッセイである。もちろん、孫とも真剣に戦うところが面白 いのである。ここまで真剣に孫と戦うおばあちゃんが今時どこにいるだろう。

結婚式で、普通は息子、娘をよろしくとかいうのが普通なのだと思う。私も、 何度か結婚式、披露宴に同席したが一応全てそうだった。

しかし、佐藤家の結婚式では、遠藤周作氏が

「最後に私から花婿にお願があります。どうか、佐藤愛子さんを、この厄介 な人をよろしくお頼みします」
なんてやるくだりはなかなか楽しいそうではないか。

それにしても、作家の婿になるには、作家の作品、エッセイを勉強して対策 を立てるものらしい。まあ、相手が相手だけにしっかり準備してかからねばと の思いかも知れない。

書名娘と私のアホ旅行
文庫集英社文庫 さ−4−16
初出昭和55年11月、集英社刊
発行1982年5月25日
頁数319ページ
定価450円
ISBN4-08-750515-4

佐藤愛子は「アホ」だからと集英社が考え、このアホに海外旅行をさせれば、 間違いなくアホな行動をするからと、出版社が佐藤愛子をおだてて海外旅行を させた。

何しろ、佐藤愛子はアホだから、いくらなんでも一人で行かせる訳にはいか ない。それで、娘の響子ちゃんと連れだって旅行に行ってもらうことにした。 もちろん、取材旅行であり、写真も必要なので、出版社御用達のカメラマンが 随行した。

どのくらい佐藤愛子がアホなのかは本書を読めばすぐ分かる。何しろ、飛行 機のトイレに恐くて入れない(?)という、もうこれでも人間であろうかと思 う程に変なのである。それなのに、飛行機で海外旅行をさせるのである。この 「おこりんぼ」の「アホ」にどんな事が起きるかは予想どうりである。愛子一 人のチン道中である。

さて、本書のタイトルの「アホ」の部分は、実は「赤色」になっていて、強 調してある。いうまでもないことだが、「アホ」という言葉は、放送禁止用語 であり、出版自粛用語である。だから、「アホ、アホ、アホ、アホ、アホ」な んて書いてはいけないのである。もちろん、インターネットでも、「アホ、ア ホ、アホ、アホ、アホ」なんて書いては問題になるのであろう。

題名に「アホ」という言葉を入れるのは、出版社の方で差し控えていたので あるが、本人の強い希望で、赤字で強調して入れたのである。「アホ」もここ まで徹すれば素晴らしい。


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