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秋山 仁


書名秋山仁の数学渡世
文庫朝日文庫 あ−21−1
初出『週間朝日』に連載
発行1996年3月1日
頁数212ページ
定価500円
ISBN4-02-261135-9

東京の花街、神楽坂のフーテンの数学者であり、テレビにも出演し、予備校 でも小中学生への特別講習をしたりの大活躍である。

さて、本書は、『週間朝日』の連載エッセーをまとめたやつである。さすが、 花街にある東京理科大学育ちということもあり、意味深なエッセーもあるので 紹介しよう。 以下は、改行などを除き、本文のママである。

ボツにされた「コンドーム定理」とは

『週間朝日』にコラムの連載を始めたとき、私は第1回分の「今週の問題」 として「コンドーム問題」を出題しようとした。しかし、編集者から「『週間朝日』 にはふさわしくない」という理由で、いきなりボツにされてしまった。

それでも数学に無感心な大人を数学の世界に引きずり込み、数学的思考のお もしろさを実感してもらうために最適の問題なので諦めず時期を見て、解説し たいと常々考えていた。

時の流れとともに人の常識も変化する。「性教育」もこの数年の間に中高生 に不可欠なものと認知され、コンドームの絵がデカデカと描かれたエイズ防止 のポスターが学校に堂々と張られるようになった。ついに時期到来!ここに、 私の十八番「コンドーム問題」を紹介しよう。

「男女2人ずつ合計4人が異性間で性交渉を行ないます。エイズに感染しな いてっとり早い方法は各対戦でコンドームを使用することです。普通なら総計 2×2=4の男女間の対戦に対し、4個のコンドームを使いますが、上手にや りくりして使用するコンドームの個数を最少にしたい。さて、その最少個数は 何個でしょうか?」

正解は2個です。

というのがある。この解答は、文庫本を買うと、絵入り で、男女3人ずつ9回戦の場合に4個のコンドームで足りることが説 明されている。まあ、そのあたりまで知りたい人は、買うなり、立ち読みする なりしてください。

なお、この定理を日本医大で講義したら、女子学生の父親から怒鳴り込まれ て、始末書を書かされたそうである。

そういう話ばかりではなく、ちゃんと真面目な数学渡世人としての話がたく さんのっていて面白い。テレビとかでの難問、奇問を出所も明かしてあったり して、けっこう奥も深い本なのである。


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