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氷室冴子


書名冴子の母娘草
文庫集英社文庫 ひ−9−3
初出単行本:1993年7月集英社より刊行
発行平成8年6月25日
頁数248ページ
定価440円
ISBN4-08-748491-2

この本は、才気あふれ、頭が冴えすぎるが故に冴子としている氷室冴子と、 その母との戦闘状態について書かれたものである。

どこの家庭でもよくある、ご先祖を捜し求めて、母と娘で旅をしたときのド タバタ、あるいはその背景を書いた、いかにも氷室ならありそうに思える(実 際にあったらしい)ことが書かれてある。

どうせ作家のこと、どこまでが脚色で、どこまでが現実かさっぱり分からな いが、まあ娘と母親、あるいは女同士、つまり嫁と姑の関係でもよくあること なのかも知れないが、その2者間の確執が、激闘が書かれているのである。

勝手気ままな娘を地で行っている氷室冴子が、母に絶縁状を叩き付けるくだ りとか、母に父との離婚を勧めるところとかは、ぐっとくるものがある。

それにしても、女同士とはこうも激烈になるものだろうか。まあ、私も父と の間で色々あったが、「まぁ、しょうがないか」と互いに思って、互いに勝手 にやっていたが、女性同士だとそういう風には事が運ばないようだ。

氷室に限らないが、他の女性作家の、母親との関係を綴ったエッセイなどを 読むと、殆どどれも同じような傾向があるようだ。それとも、そのような女だ からこそ作家という不安定な職業についたのであろうか。


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