文庫本のホーム群ようこ

群ようこ


 
書名本取り虫
文庫ちくま文庫 む−5−2
初出1994年6月20日筑摩書房(単行本)
発行1996年12月5日
頁数237ページ
定価440円
ISBN4-480-03204-5

群ようこの「読書もの」と言われるジャンルに入る、要するに読書感想文で ある。

さて、読書感想文というと、学校の宿題によくあったように、『‥‥‥』を 読んで、という題名で始まる。そして、ストーリーの概略が書いてあって、そ の筋のどこが良かったとかというのが普通だろう。

しかし、本書の各感想文の題名には書名は出て来ない。一部には本や著者を を連想させる題名もあるが、ほとんどは、その本を読了した時の感想をそのま ま書いたような題なのである。あるいは、日常のたわいない事とか、思い出み たいな題ばかりであり、これが『読書もの』の本とは題だけからは分からない。

長くても1編は10ページ以下の短いものなのだが、書き始めは身の回りの ことから始まる事が多く、話が半分くらい進んで、やっと読書との絡みが出て 来るのである。本のストーリーからではなく、自分の経験などから入っていく というのは読書感想文の匂いがほとんどしなくて、ウサン臭くなくていい。

まず、読者が真中にでーんと座っていて、読者の生活があり、その回りに本 があって、という構成がなんともいい。紹介する本が全面に出すぎた読書感想 文は味気ない。

でも、こういう読書感想文を学校の宿題に提出すると、きっと良くない評価 しかされないんだろうなぁ。


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