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群ようこ


書名 群ようこ対談集 解体新書
文庫新潮文庫 む−8−12
初出小説新潮の対談連載
単行本:平成7年5月新潮社刊
発行平成10年5月1日
頁数285ページ
定価438円(本体)
ISBN4-10-115922-X

対談集はあまり読まないことにしている。どうも話の進み方が自然ではない。 なんだか始めから方向が決まっていて、その方向へなんとなく持っていく感じで 面白みがないのである。また、だいたいが堅くて嫌なのである。

本書も十分にそういう点は感じられたが、対談のなかから適当に取捨選択し たためやむを得ないかな、というのはある。作家が全部を作ってしまうものと、 対談から編集したものとの違いは大いに感じる。

本書は、群ようこの友達知人など10名(鷺沢萌、関川夏央、松山巌、山田詠 美、原田宗典、椎名誠、もたいまさこ、氷室冴子、泉麻人、都はるみ)との対 談である。ほとんどは作家であり、前半の作家は良くは知らない作家が多く、 中盤から後半にかけては作品を読んだことがある作家が多くなる。

群ようこの対談だから、とうぜん身近なことに話題が集中する。このへんは 全然変わらない。ただ、毎回話のテーマは変わってしまう。 帯には、「10人のゲストがよってたかって群ようこを大解剖」となってい たが、大解剖には程遠い。そんなことしなくたって、群ようこは自分で自分を ちゃんと解剖しながらエッセイにしているので、そんな必要はない。

それよりも、群ようこと仲間達の関係というか人脈が分かる本といったほう がいいだろうか。

1998年6月24日


書名交差点で石蹴り
文庫新潮文庫 む−8−11
初出単行本:平成6年8月毎日新聞社刊
発行平成10年1月1日
頁数258ページ
定価476円(本体)
ISBN4-10-115921-1

元旦発行のおめでたい本であるが、もちろん暮れには本屋で平積みになって いた。

自由業という意味では同業者である群ようこは、当然領収書集めが仕事であ る。確定申告の時期が次第に近付いているが、確定申告で一番重要で面倒なの が、領収書である。要するに、必要経費の証明書なのである。

著者は、本を良く買うから、本屋に行くことが非常に多い。そして、本屋で は、領収書やレシートを受け取らない人も多く、額面の多い領収書を見ると、 群ようこは、レジ前で落ちている領収書をなにげないそぶりで拾うべきか否か、 随分葛藤しているようである。分かるな、この気持ち。

本書は、1編が4ページ程度の短いエッセイが50編ほど詰まっている。身 近な、相変わらず半径500メートル以内の出来事についての評論というか、まあ 文句である。

1998年1月8日


書名でも女
文庫集英社文庫 む−3−3
初出単行本:1994年7月集英社刊
発行1997年9月25日
頁数274ページ
定価457円(本体)
ISBN4-08-748691-5

群ようこの、ちょっと変な女、いや十分に変な女を話題にした短編集である。 取り繕いすぎた女を、周囲の女(群女史は当然こちらの側)から見た場合、い かに厭味な女かを書いているので、男の私としては、女同士の世界がどのよう なものか、分かったような気になってしまう本である。

どの短編にも変な女が登場し、ぜんぜん飾らない文章で話が進み、どんどん 変な女が変に扱われて行くのである。書いている内容には厭味がいっぱいなの だが、日常の普段着の文章なので、「そうだろう、そうだろう」と思いながら 読み進んでしまう。ちっとも救わない所が読んでいて気持ちがいい。

バブル崩壊を扱った話も数話あり、なかなか時代を感じさせる。が、エッセ イでないぶん、誇張もかなり見受けられる。


書名あたしが帰る家
文庫文春文庫 む−4−7
初出「オール読物」平成4年8月号〜平成5年8月号
単行本:平成6年3月
発行1997年2月10日
頁数245ページ
定価420円
ISBN4-16-748507-9

群ようこの父のくうたらぶりが書かれている小説である。職業が画家なので 普通とは違うのはあたりまえだが、非常に夫婦仲が悪く、いつも夫婦喧嘩をし ているのを見ていた幼い群ようこに映った父親像が描かれているのである。

もうこんな父親はいらない。はやく死んでくれますように、というのが最初 から最後まで、ず〜と通して書かれている。毎日いかに仕事をしないか、群よ うこの友達にはやさしく素敵な父親に映るが、家族には完全に嫌われている。

‥‥‥という内容が、とても面白く書かれているので、実に楽しく読めたの である。

ところが、この父親像というのが、今の私と似ているところもあるなあ、と 思ってしまって、大層複雑な気持ちになってしまった。あまり働かない、なん てところは確実にそっくりである。

ん、これって、群ようこの父親のことをそのまま書いているのだろうか。そ れとも、小説家になりがちな誇張、でっちあげが一杯なのであろうか。そう思っ て裏表紙の解説をみたら、その最後に、傑作短篇小説集と あるので、はやり架空のことなんだろう。でも、納得はしかねるが。


書名モモヨ、まだ90歳
文庫ちくま文庫 む−5−1
初出1992年5月21日筑摩書房(単行本)
発行1995年9月21日
頁数247ページ
定価450円
ISBN4-480-03083-2

群ようこの本であるからにして、当然身辺のこと、親戚、友人などのことを 書いている。

今回は、群ようこの「おばあちゃん」のおはなしである。90歳で、元気い っぱいで、東京ディズニーランドで乗物に乗ってはしゃぎ回る、超スーパー元 気なおばあちゃんの話である。

「まだ」90歳という感じを与えるところが凄い。


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