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中島らも


 
書名牛乳時代らも咄
文庫角川文庫 な−25−3
初出1993年5月角川書店より「らも咄(2)」として刊行。
発行平成8年5月25日
頁数263ページ
定価470円
ISBN4-04-186303-1

まあ、しょうもない咄(はなし)を集めたもの、より正しくはでっちあげた もので、確かに「らも的」な本ではある。

ただ、小咄を、本でやっている訳であって、ちゃんと枕も用意されていて、 それはそれで形式にも則っており、いいんであるが、ちょっと洗練さが足りな いのは仕方がないか。

やはり、小咄は聞くものであって、読むとどうも調子が出ない。咄というの は、呼吸が重要、間合が重要なのであるが、どうもそれを読んで体感するのは 非常に難しい。

でも、読んで、読んで、読み飛ばして、読み捨てるにはいいかも知れん。 めちゃくちゃ気楽に読める本である。

 
書名中島らもの明るい悩み相談室
初出昭和59年11月朝日新聞大阪本社版
日曜「若い広場」で連載開始
発行1987年1月31日
サイズ新書版222ページ
定価980円
ISBN4-02-255621-8-4

本書は、中島らもの、笑って読める人生相談コーナーをまとめて単行本 にしたものである。つまり、新聞によくある、人生相談コーナーである。

ちょっと普通でないのは、お答えするのが「中島らも」というのが、異常な ところである。「ふざけた」人生相談を始めようとして始めた人生相談であり、 内容は、ちゃんとふざけている。

人生相談というのは、普通は暗く、苦しく、どこまでも落ち込むような話し が多いのである。そういうのは読んで楽しい訳がない。本人、関係者がいくら 真剣になっても、それ自体は楽しくないし、そんなもん誰も読みたい訳がない。

しかし、この人生相談は、「明るい」とあるとおり、明るいのである。ふざ けることを目指してやった人生相談であり、読んでて楽しいことは間違いない。

それにしても、こういう企画は、朝日新聞東京本社ではできないようである。 おふざけは大阪と相場が決まっているようで、東京に長年住みついてしまった 者としては情ない。

書名とほほのほ
文庫双葉文庫 な−12−3
初出1991年2月双葉社より刊行。
発行1995年11月5日
頁数267ページ
定価480円
ISBN4-575-71064-4

題名だけをたよりにすると、「とほほ」な話ばかりが詰まった本だと思われ るが、そんなことはない。変であり、怖くあり、かつ滅茶苦茶であり、そして 「とほほ」な話もあるという具合になっている。

まあ、なんでこんな話を集めて本として出版できるのか訳が分からぬが、ま あ世の中そんなものであろう。

また、『変!!』に出て来た同じ話が、ここでも書かれている。まあ、同じネ タで何度も稼ごうという汚い根性がみえてきて、著者のセコさがよく滲み出て いる。

で、この本、読んでも、読まなくても、まあどうってことは無い本である。 読み終えたのであるが、何が書いてあったか、もう思い出せない。これは、私 の歳のせいなのか、それとも、この本自身がその程度の本なのか。

解説(山本直樹)の最後に、「読んだ後に何も残らん」と書かれているので、 まあ、そういう類の作家というか、エッセイストなのであろう。

書名変!!
文庫双葉文庫 な−12−2
初出1989年10月双葉社より刊行。
発行1995年11月5日
頁数293ページ
定価500円
ISBN4-575-71063-6

「中島らも」は、本人も盛んに言っているように、関西系の危ない人間であ る。もともと関西は危ないところと関東人は思っているようだが、決してそん なことはないのではなくて、ちゃんと危ないのである。その、関西での、危な い人間であり、売文業をやっているのがこの著者である。

この本であるが、『変!!』などという、ふざけた題名をつけている。あとが きを読むと、「そうむちゃくちゃに「変」なものははいっていないと言える」 などと書いているが、充分に変である。

題材は、極めて「らも的」で、世のまともな人間と関わりあいの無い話が多 いのであるが、まあ、それも良いだろう。「らも」は広告屋であるから、当然 マスコミの裏話もあちこちに散見される。

一応、構成順に解説しておくと以下のようになる。

壱之変◎人間が変!!
中島らもは、朝日新聞で、「明るい悩みの相談室」をやっていた らしい。朝日新聞は家でとっているが、そんなのあったかどうか知ら ないが、あったらしい。まあ、内容は支離滅裂で、楽しく読めて、明 るく幸せになれる内容だったに違いない。朝日新聞社から、単行本に なって出ているようなので、詳しくはそちらを読むとよい。
さて、この変は、そういういいかげんな相談室をやっているよう な人間の周りに当然いついている変な人間の変な変な話である。

弐之変◎言うことが変!!
売文業とか、落語家とか、とにかく、人より変わった事をしない と商売にならない人達の、変な言行を書いているのである。
「私事、この度、無事死去つかまつり候。………」
などというふざけた死亡通知書を出した噺家の話などがつまって いるが、まあ、普通に変である。

参之変◎人種が変!!
オバサン、要するに世に言うところのオバタリアンに対して、 勇敢にも、いちゃもんをつけているのである。その他、訳の分からん 人種、例えばモヒカンについてである。

四之変◎世の中が変!!
最初は、広告などの普通に変な世界を批判していたのであるが、 最後は、プロレスラーを怒らして、技をかけられて、ヒーヒーいう 場面で、事切れるのである。
自分が変であると思う人間、または変な人間とはどういう人間かを研究した い人間にすら役に立たない、まあ、題名に正直に変な本である。


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