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文学全集/清水義範


 
書名早わかり世界の文学
パスティーシュ読書術
文庫ちくま新書 712
発行2008年3月10日
頁数197ページ
定価680円
ISBN978-4-480-06404-2

世界の文学の紹介本であるが、なにしろ著者が清水義範なので、まともな紹介のはずがない。 ということで、ちゃんと知りたければ本書を読むのは間違いだろう。

しかし、文学というものを、変な切り口で見てみたいという物好きには格好の本、 ようするに、変な蘊蓄を清水義範から仕入れることができるのである。

本書の帯には、「文学はパロディで繋がっている」とある。 元の作品があって、それをコピーして、弄って変にして、新しい作品にしてしまっているのが文学なのだと。 その中で、聖書の例が出てくる。とくに、聖書の中の方舟のくだりは、コピペではないかと。

これは、清水義範が面白がって書いているというのではなくて、 ちゃんとした証拠があるのである。 世界で一番古い文学と言われているメソポタミアで、紀元前15世紀〜10世紀ころにできたらしい 『ギルガメシュ叙事詩』というのがある。 この中に、ノアの方舟そっくりの話が入っているのだそうだ。 詳しくは、自分で調べてみよう。

さて、世界文学早わかりということで、世界十大小説というのを列挙している。

  1. 『オデュッセイア』ホメーロス著、紀元前800年頃
  2. 『源氏物語』紫式部著、1001年頃
  3. 『ハムレット』シェイクスピア著、1602年
  4. 『ドン・キホーテ』セルバンテス著、正編1605年、続編1615年
  5. 『ファウスト』ゲーテ著、第1部1806年、第2部1831年
  6. 『ゴリオ爺さん』バルザック著、1835年
  7. 『ボヴァリー婦人』フロベール著、1857年
  8. 『罪と罰』ドストエフスキー著、1866年
  9. 『魔の山』トーマス・マン著、1924年
  10. 『失われた時を求めて』ブルースト著、1913〜1927年
※ドストエフスキーに関しては、『カラマーゾフの兄弟』をあげたいが、 読んでいないので『罪と罰』にした、とあった。

ちゃんと(?)読んだことのあるのは、たった1冊しかないや。 世界文学の征服は遠いようだ。

2008年5月4日


 
書名普及版 日本文学全集 第一集
文庫集英社文庫 し−22−5
初出1992年10月実業之日本社刊
発行1996年2月25日
頁数251ページ
定価460円
ISBN4-08-748453-X
書名普及版 日本文学全集 第二集
文庫集英社文庫 し−22−6
初出1992年10月実業之日本社刊
発行1996年3月25日
頁数249ページ
定価460円
ISBN4-08-748462-X

清水義範の手による、日本文学全集である。全18巻のかなりな全集である。 この構成は、次のように豪華である。

第一集
第一回配本 古事記
第二回配本 源氏物語
第三回配本 方丈記
第四回配本 平家物語
第五回配本 小倉百人一首
第六回配本 徒然草
第七回配本 太平記
第八回配本 好色一代男
第九回配本 奥の細道

第二集
第一〇回配本 女殺油地獄
第一一回配本 義経千本桜
第一二回配本 東海道中膝栗毛
第一三回配本 浮世床
第一四回配本 南総里見八犬伝
第一五回配本 東海道四谷怪談
第一六回配本 当世書生気質
第一七回配本 浮雲
第一八回配本 我輩は猫である

清水義範が、世界文学全集だけで止めとけばよいのに、大胆にも日本文学に 対しても、無茶苦茶をやってみたものである。日本文学のパスティーシュとい うか、まあそれ以前のものである。

 そう暇ではないのだが、どうせ一日中ディスプレイにむかっているのだか ら、心に浮かぶどうでもいいようなことを、思いつく端から打ちこんでいこう。 多分、脈路のない変なものになるだろう。
という始まりが有名な徒然草の書き出しであることは誰でも知っているだろ う。

ところで、私は、「パソコン生活つれづれノート」といういい加減なものを 書いているので、こういうエッセイ評論的なのはつい引かれてしまう。清水の 論によると、年寄りになると、若者の悪口や無知ぶりを書いたり、自分の知識 とか経験をみせびらかして、とにかく自慢話する厭味なオヤジになる。とかく 男のエッセイは、兼好法師のように厭味な感じになっていくのである。私も気 をつけよう。

まあ、反省なんてしてもつまらんので、別の作品について書こう。

「浮世床」は原作を読んだことはないが、グヒヒヒヒと電車の中で笑ってし まう程面白かった。

 チーフが私の髪をカットしてくれる時には、忘れていた私の頭部戦線の状 況を教えてくれる。
 もう手のほどこしようもなく、白髪軍が進攻してきていますよ、とか。髪 がそもそも痩せ細っていてこのままでは全滅ですよ、とか。頭皮がほとんど地 雷だらけと言っていいほどに荒されてますよ、とか。
こんな話が続くと、まるで自分のことのようで、真剣に笑いながら読んでし まった。

最後に、月報がついていて、それには、編集部からのお知らせが以下のよう に結ばれていた。

*とにもかくにも、これで本文庫の普及版「世界文学全集」と「日本文学全 集」の仕事は終った。今後のことは知らん。

ということは、これで終ってしまうのか。まだまだ読み足りんよ〜〜〜。


 
書名普及版 世界文学全集 I
文庫集英社文庫 し−22−3
初出1992年7月集英社刊
発行1995年8月25日
頁数254ページ
定価420円
ISBN4-08-748369-X
書名普及版 世界文学全集 II
文庫集英社文庫 し−22−4
初出1992年7月集英社刊
発行1995年9月25日
頁数263ページ
定価440円
ISBN4-08-748389-4

清水義範の手による、世界文学全集である。全17巻のかなりな全集である。 この構成は、次のように豪華である。

第I期
 第一回配本 オデュッセイア
 第二回配本 マハーバーラタ
 第三回配本 聖書
 第四回配本 千一夜物語
★第五回配本 デカメロン
 第六回配本 水滸伝
 第七回配本 ドン・キホーテ
 第八回配本 シェイクスピア傑作選
 第九回配本 赤と黒

第II期
 第一〇回配本 ファウスト
 第一一回配本 モルグ街の殺人
 第一二回配本 三銃士
 第一三回配本 嵐が丘
★第一四回配本 白鯨
 第一五回配本 ボヴァリー夫人
 第一六回配本 罪と罰
★第一七回配本 二十世紀の文学

      ★は特大巻

この大全集を、私は、ほぼ通勤電車の中だけで読み上げました。我ながら良 く読み終えたものだと思っている。片道で配本1回分を読み終えるのにちょう ど良いくらいの分量であるので、私がいかに長距離通勤しているかが分かるで しょう。毎日、2回の配本分を鞄に入れて通勤すると、なんと肩に食い込むこ とか。

内容であるが、世界の名著を、清水義範の例の手によって、新しい切口から 世界の文学を紹介している。ここにあるのを全部読んだ人などいないと思うの であるが、私はこの本によって、これらの文学作品について知ることができた。

なんてことは嘘にきまっている。清水義範だって、これらを全部読んだ訳で もないのに、例のいい加減さによって、またまた無茶苦茶をし、世界文学をコ ケにしてしまった、とんでもない作家である。

まあ、内容については、あまりに無茶なので、とても紹介などできる内容で はない。面白いから、自分で勝手に読んで欲しい。

さて、「世界文学全集」があるのだから、「日本文学全集」もあるのではな いかと思って、「対談解説」を読んでいると、実はそれも同時期に雑誌に連載 したことが書かれてあった。そっちは、どこから、いつ出るのでしょうね?


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