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書名 |
ドクター勾坂の事件カルテNo.01 ロックド・イン症候群 |
|---|---|---|
| 文庫 | 幻冬舎文庫 よ−3−6 | |
| 発行 | 平成11年11月25日 | |
| 頁数 | 264ページ | |
| 定価 | 533円(本体) | |
| ISBN | 4-87728-806-6 |
米山氏の初めての医学ミステリーである。
通常私は、ミステリーは全く読まないことにしている。というのは、 小説より、世の中の荒探しの方がはるかにミステリーというのがわかってしまった こともあるが、現実世界は下手に調べると本当に危険なので、まあ適当にしている。
まあ、そんなことはどうでもいいか。氏のミステリーが読みたいと言うより、 ロックド・イン症候群ということをどうやってミステリーにしているかにちょっと 興味があったのである。読書感想文にはまだ書いていないが、 氏の『神経内科へ来る人びと』を読んで、ついでにこれも読もうと思った次第である。
植物状態といえる患者が、実は意識がありそうで、それを脳波の解析をして言葉に なおして連絡を取ろうとするのである。脳波から考えていることを分析し文字データ として画面に表示するところがでてくるのだが、あまりにもホイホイ行き過ぎていて、 これでは不自然過ぎると思ってしまうのである。
だって、脳波から文字入力ができてしまえば、キーボードアレルギー症候群の 人々は、コンピュータとのやりとりは脳波を使ってやればよくなる訳であり、 ちょっとこのあたりが私には非科学的に思えてしまって、ミステリーにのめり込めない ところがあった。SFを読んでいても、ついそういうことを考える悪い癖があって、 駄目なのである。
本書では、医学的およびコンピュータ的な専門用語がでてくるのだが、医学的専門用語は おぼろげにしか分からなかったが、ストーリーを読み取るのに困る程ではなかった。
全体的には、主人公は医者であり、氏のエッセイと通じるところがありすぎて、 本人のエッセイなのか、ミステリーなのか、読んでいる限り、それほど区別がないような 感じであった。
2001年4月21日
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書名 | 医者のヒラメキ患者のメーワク |
|---|---|---|
| 文庫 | 幻冬舎文庫 よ−3−5 | |
| 発行 | 平成11年6月25日 | |
| 頁数 | 264ページ | |
| 定価 | 495円(本体) | |
| ISBN | 4-87728-750-7 |
本書は、メカ好き(ただの初物好きとも言える)の著者が大学病院で医学研 究および必要な医療機器についてのエピソードを書いたものである。だいたい が上からの指令でやむなく研究する。「研究とは力づく」とか、実験で収集し たデータも都合の悪い部分は消して奇麗にするなど、なかなか思慮深い発言も 多く、考えさせるものがある。
最初に手掛けた筈が、周囲の理解が得られず、本当は最初だったのに他の大 学とかで評価が定まり、自分の大学の他の医局にも採り入れられたり、という 研究の世界では非常に良くあること。くやしいとか、馬鹿やろう今ごろになっ て、とか色々複雑な思いも、他人事として読むぶんには、「そうだろう、そう いうものだよ」と読めてしまう。
各開発に対して結幕がついているのであるが、ほぼ全ては予想通り使われな くなり、その存在すら忘れ去られるような状況である。コンピュータの世界と 似たようなものらしい。
これをお粗末な研究事情と判断すべきかどうかは良く分からぬが、もっともっ とお粗末な医学研究をしていたところは多数あると思うが、どうだろう。でも、 お粗末を書けるということ自体はたいしたことである。
1999年7月11日
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書名 | 医者を忘れて大航海 |
|---|---|---|
| 文庫 | 幻冬舎文庫 よ−3−3 | |
| 発行 | 平成10年10月25日 | |
| 頁数 | 356ページ | |
| 定価 | 571円(本体) | |
| ISBN | 4-87728-663-2 |
米山氏が大学病院をやめて直後に世界一周の豪華客船オリアナ号に乗り込ん で、医者である過去を振り払うとともに、作家になるための旅であった。また、 船上ミステリーを書くための調査もかねて豪華客船に乗ったのであるが、もち ろん幻冬舎持ちで豪華客室が用意されたのである。
出版社にしっかり金出してもらって旅をしたりすると、ちゃんと本を出した りして責任はたさなければならないが、その責任が本書である。
で、内容なのであるが、最初から最後まで、ずっと書き続けていることがあ る。それは、オリアナ号の料理がいかにまずいかである。この話の隙間に船の 上での生活、寄港地でのオプションツアーなどが書いてある。オプションツアー に行ったら、船ではまずい料理に虐められているので、何とかうまいものを食 べたいという強い願望が現れている。オリアナ号の料理って、そんなにもまず いものなのだろうか。
こういう豪華客船には、お年寄が非常に多いのであるが、かれらがいかにタ フであるか、でも世界一周する間に、何人かはちゃんとなくなるとか、結構医 者的な観察もしている。
豪華客船の実際の状況を、感じたまま書いている感じなので、豪華客船に乗 ろうと思っている人には非常に参考になる本ではないかと思う。豪華客船といっ ても船によって大いに違いがあるだろうし、オリアナのまずい料理ももしかす ると変わっているかもしれない。
医者、航海ときたら 北杜夫の『ドクトルまんぼう航海記』 が有名であるが、本書はそういう馬鹿馬鹿しさはない。豪華客船では、そこ まで身勝手なことはできなかったとみえる。
1998年10月21日