米山公啓文庫本のホーム

米山公啓


 
書名医者の出張猶予14ヶ月
文庫集英社文庫 よ−7−6
発行1998年5月25日
頁数222ページ
定価438円(本体)
ISBN4-08-748788-1

本書は、医者になって、医局から日陰山際病院と虎姫病院という、 大学病院とは比べようもない病院へ出張していたときのことが書かれている エッセイである。

日陰山際病院の方は、まだまだ医者になりたてで、ろくに診察もできない頃 に出張になり、貴重な体験をしたのであった。大学と違い、突然医者は自分だけ になることで医者が鍛えられ、育てられるのであった。

虎姫病院は、医者としてなれてきた頃、老人病院といわれるところへ また飛ばされたのである。ただ、治療するということだけでなく、 もっともっと大切な人間が生きるとは何かを感じるようになるのであった。

‥‥‥なんて書き方をすると、とても堅いエッセイに思えるが、 ほんとうはとてもズッコケた話が多く、楽しいエッセイなんである。 医者も人間なんだということを楽しく教えてくれちゃうのだ。

 
書名医者の個人生活366日
文庫集英社文庫 よ−7−1
発行1995年1月25日
頁数286ページ
定価480円
ISBN4-08-748272-3
書名午前3時の医者ものがたり
文庫集英社文庫 よ−7−2
発行1995年11月25日
頁数244ページ
定価480円
ISBN4-08-748411-4
書名医者の半熟卵
文庫集英社文庫 よ−7−3
発行1996年4月20日
頁数222ページ
定価460円
ISBN4-08-748473-4

神経内科医のエッセイである。最近、医者や看護婦の本が多く出ているが、 まあその類と言えないこともないが、ユーモアというか、気楽に書かれたもの であり、読む方も全然構えることなく読み飛ばせる、きわめて気楽に読めるエッ セイである。

「医者の個人生活366日」は、医者になってしばらくたってからの、1年 間の途切れ途切れの日記というか、エッセイである。

「午前3時の医者ものがたり」は、医者になりたての医者が、当直医をやっ てひどい目にあったことが書かれている。

「医者の半熟卵」は、医学生の間のことが書かれている。新設医科大学(聖 マリアンナ医科大学)へ入ったのであるが、金持ちから貧乏までさまざまいた ようである。

と書いたのでは、味もそっけもあるまい。実は、本人は老人医療とかに非常 に関心をいだき、今の医学教育、医者の状況などに不満を持ちながら、さまざ まな現実の壁と、日々の仕事の狭間が面白くも、するどく書かれているのであ る。

実は、いろいろ書かれていて、ふむふむと納得する場面もたくさん出て来た のだが、読むに従ってどんどん忘れてしまい、個々のエピソードは頭にあまり 残っていない。私も惚けてきたようだ。

そういえば、私の友人の行った医科大では、勉強熱心な学生が、皆で飲んだ 後、人体の骨格標本を電車の中に置き忘れ、「電車の中に白骨死体放置か」と いう事件になりかけたことがあった。まあ、医学は人間そのものを扱うから、 いろいろと複雑な問題があるようだ。

今までは、とにかく1秒でも長く生かすのが医業の努めのような考えがあっ たが、無駄とはっきり分かっている延命治療に関してはいろいろ問題もあろう。

ある病院で、集中治療室の付近だったと思うが、支払のご相談についての案 内が書かれていた。保険で全部済ませられる場合はいいが、集中治療室の費用 を個人負担なんてしていたらいくら金があっても大変である。その気になれば ずいぶん生かせるようにはなったが、それはそれで別の多くの問題を生んでし まったようである。


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