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書名 | 多摩の台病院ものがたり |
|---|---|---|
| 文庫 | 廣済堂文庫 ヨ−3−1 | |
| 発行 | 平成10年10月5日 | |
| 頁数 | 231ページ | |
| 定価 | 524円(本体) | |
| ISBN | 4-331-65267-X |
米山公啓の本は、小説であろうと、エッセイであろうと、医療現場での経験 に基づいたもので、非常に臨場感の高いという印象がある。
しかし、この本は、そのようにして今までセーブして書いていた状態から解 放されたというか、本当は大学から解放されたためとも思えるが、完全に今ま での路線を逸脱して、ハチャメチャなところがずいぶん多い。まあ、そういう 意味では楽しい、脳天気に読めるギャグぎっしりの本である。
でも、ギャクをいっぱい散りばめながら、ちゃんと医療の現状への批判は全 然忘れていない。その辺の筆遣いというか、キータッチは以前と変りがない。 ギャクを楽しく読ませながら、それでいて脳裏に医療の実情を焼き付けようと いう高等技術を必要とする新しい世界を切り開こうとしているのかも知れない。
1998年10月13日