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作文


今でもそうなんだが、小さかった頃、学校で作文の宿題が出されるのが非常 に嫌であった。いつもそうなのであったが、指定されるテーマが、どうにも理 解に苦しむような内容ばかりであった。それでも、非常に真面目な学生であっ たので、非常に苦労して、原稿用紙1枚を書くのに何時間も苦渋して、やっと 自分でも読めない様な酷い作文をしていた。

高1のときであった。夏休みの宿題だったと思うのだが、例によって読書感 想文の宿題が出た。本を読む方はそれほど苦ではなかったが、どうしても書く ことができない。そのうち休みは残り少なくなってくる。これは困った、どう しよう、と悩んで、どんどん気持は沈んでいった。

私は、高校の学区を遠く離れた僻地から来ているので、だれも私のいた中学 を知る筈がない。といっても、実際には、途中で岡山市内に中学の途中で転校 して、それで同じ高校になったのが1名いただけだった。

そして、その中学では、「ボケ」という名の文集を毎年出していた。「ボケ」 とは、あのボケのことである。すごい題名を付けているだろう。公立の中学校 であるが、文部省のことなど無視して、各個人のレベルに合った教育ができる ように能力別クラス編成であったから、まあ、「ボケ」なんて名前をつけるの も平気なのである。要するに、大胆なのだ。

「木瓜」と書いて「ぼけ」と読む。これが、文集の題名であった。この文集 には、当然のように読書感想文が載っているのだ。そして、在学していたとき の3年分の文集を持っていた。そして、参考のために、載っていた感想文を読 んだ。何と真面目な学生であったことか。

読んでいくうちに、既に読んだことの有る本、ヘルマン・ヘッセの「車輪の 下」の感想文があった。その内容は、まあまあ自分でも納得できるものであっ たので、それを写して提出することにした。女生徒の書いたものであったので、 多少言葉じりを直しただけで、そのまま写した。

そして、結果は、花◎であった。今まで、作文では ろくな評価をされたことがなかったのに、まる写しをしたら、「優」になって しまったのである。


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