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青土社


書名 「数独」を数学する
世界中を魅了するパズルの奥深い世界
著者ジェイソン・ローゼンハウス、 ローラ・タールマン
発行元青土社
発行日 2014年10月24日(発売日)
サイズ四六型上製/392頁
定価3900円(本体)
ISBN978-4-7917-6827-1
書名 Taking Sudoku Seriously
The Math Behind the World's Most Popular Pencil Puzzle
著者Jason Rosenhouse, Laura Taalman
発行元Oxford University Press
発行日 2012/1/19
サイズ 23.6 x 1 x 16.3 cm
定価Kindle 1069円, ハードカバー 2556円(アマゾン調べ)
ISBN978-0199756568

昨日、この本を立ち読みしてきた。 というのは、内容がとても残念なことになっているというのを聞いて、会社帰りに新宿紀伊國屋南店に立ち寄ったのだ。
ハードカバーの分厚い本で、全ページフルカラーの驚くほど金が掛かっている本だった。 ある意味、非常に立派な本だ。

噂は聞いていたが、本を手にするなり卒倒しそうになった。
とくに、問題をつくる部分だ。
ヒント数18個の問題をつくる話があるのだが、適当に数字を配置し、その数値を入れ替えて問題を完成する方針なのだが、その判定に多重解の個数を1個に近づけるように変更するというものだ。

多重解の個数を数えるということは、毎度しらみつぶししている訳で、とても時間がかかる方法で、この方法で実用的なジェネレーターを作るのは不可能だ。 まず、しらみつぶしという戦略は、最後の手段でしか使わない。 必ず他の方法を考えるのが普通のプログラマのやることだ。 それに、この方法では難易度を制御しながら作っていないので、時間をかけてできた問題の難易度を判定し、希望するものでなければまた作り直すことになり、ものすごい非効率な方法である。

なんでこんな方法を考えついたのか、情報科学、アルゴリズムを学習した人ならありえない考えだ。で、思いついたのは、数独の解の盤面数の数え上げなどが前の方に書かれていたから、数え上げでなんとか問題を作れないかと思って作ったのだろうか?でも、このプログラムは、元になっているプログラムがあるらしかった。
原著はオックスフォード大学出版で、大学の先生2名の共著で、そのうち1名はパズル会社の共同設立者で、ネットでパズルを紹介もある。
ますます、訳が分からぬ。

ヒント数18の問題を作るのは、「干し草の中から針を探すようなもの」でとても大変なことだと書かれていた。 しかし、ヒント数18の問題でも、ヒントの配置パターンが良ければ、並のパソコンで1秒程度で自動生成可能になっている。 ネット上に、そんな数独問題自動生成ソースコードも転がっている時代だ。 我々は、Rasberry Piというとても遅いコンピュータの上でも十分ヒント数18の問題の自動生成ができることも確認している。

それにしても、この程度の内容で、とても立派な本ができるというのが、世界中のSUDOKU(ナンプレ)の問題がゴミだらけであることの裏付けなのだろうか。

最後に、この本、いろいろな情報を集めているという点では評価できるけれど、数独の分析については、参考にならない。 さまざまなバリエーションがあるが、結局同じことで、そのほとんどは同一プログラムで対処できたりするわけなのだが、もちろんそんな言及はない。 この本、プログラム作りには害がある程度に過ぎない。 また、この原書は、数独の最少ヒント数が17個が証明される直前に書かれているので、そのあたりの紹介がない。

おなじ青土社から、『驚きの数学 巡回セールスマン問題』という非常に濃い、濃過ぎる内容の本が出ていて、これはお薦めする。 しかし、この本は、痛過ぎる本で、お薦めしない。

ということで、本は手から落ちて、購入には至らなかった。(別のフロアで別の本は買ったが)

2014年10月30日


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