パズル本
書名キューブパズル読本
著者秋山久義
発行元株式会社新紀元社
発行日 2004年7月12日
サイズA5、240ページ
定価2200円(税別)
ISBN4-7753-0284-1

本書は、著者が退職し、それまで溜めに溜めたパズルに関する情報を集大成して 出版しだした本として、前著「知恵の輪読本」 に続いての第2弾。

キューブパズル(立方体パズル)というと、どうしてもルービックキューブが世間では 圧倒的な知名度があるのだが、パズル熱に充分浮かされた著者が紹介するキューブパズルは もっとマニアックなパズルの連続である。

立方体を複数個面でくっつけたものをいくつか組み合わせて、より大きな直方体を作るなどの この分野の基本から始め、サイコロの各面に異なる色を塗って重ねたときにできる四重塔の各面に、 四種類の色が出るようにするインスタントインサニティの紹介などがあり。 このインスタントインサニティは、私がパソコンを始めたころ、アセンブラで解いた。 あくまでも、プログラムの練習として(嘘)。

立体ジグソー、立体ペントミノ、ソーマキューブ、およびそれらの派生パズルあたりまでは どうってことはないかも知れないが、本書は中盤あたりから次第に病状が強く出てくる。

立方体をいくつかくっつけたポリキューブは、普通は面でくっつける(面接触)が、 辺(線接触)のもの「土橋創作氏の僞ポリキューブパズル」がある。 実は、木材で作った立方体を、辺で接触しているものを私は触れて遊んだことがある。 それは、本書の最後の方で紹介されている立体パズル作家柳瀬順一(Juno)氏の 手作り作品であった。パズルの場合、延々とピースをこねくりまわすことになるので、 相当しっかりした作りにしておかないといけないので、なかなか大変なのである。

立方体を、色々な素材(?)で作るのも紹介されている。 マッチ棒で作るのから始まり、丸い盆6枚だけで接着材も何も使わない立方体、 樹皮だけでつくる立方体、ホッチキスの針、折り紙、一本のテープを折るだけ、 などなどマニアならではの挑戦も紹介されている。 折り紙は、ユニット折り紙という折り方があり、 これを知っていればとくに難しいことではない。

本書にしばしば書かれているのだが、立体パズルというのは、作るのにとても手間がかかる。 立体なので、紙に印刷されたパズルのように、どんどん大量生産はできない。 ちゃんと作ろうすると工作機械が欲しくなる。 それに、一般に立体パズルは難し過ぎることが多く、まず売れない。 ルービックキューブは例外中の例外で、あのくらい売れるものは、 世界で1世紀に1個くらいしか考案されない。

もう1つ話題にされていたのは、パズルをプログラムで解くのはどうかということである。 簡単な問題は、プログラムを作る間に解けてしまうので、プログラムを作るまでもない。 しかし、難しい問題は、人手で解くのは非常に難しい。 解が長い手数になってしまう場合の最短手数は、プログラムを使うしかない。 私の個人的考えは、市販している程度のパズルなら、人手で解けるレベルが多いけれど、 それ以上の病的レベルに挑戦したいなら、プログラムで解くしかないだろうと思っている。 というより、難しいパズルになれば、今のコンピュータの性能ではとても無理とか、 どういうプログラムを組めば解けるのかさえ分らないようなものもある。

本書には、ちゃんとルービックキューブの解法が載っている。 3x3x3だけではなく、2x2x2のポケットルービックキューブ、 4x4x4のリベンジキューブ、5x5x5のプロフェッサーキューブの紹介もある。 ところで、昔私がいた出版社の雑誌で日本で一番最初に ルービックキューブの解法を紹介したのは、今となっては懐しい。

この他にも色々かかれているのだが、切りがないので終りにする。 もし、パズルが病的に好きなら、この本は入手しておくべきだろう。

2005年5月3日 記


パズル本