パズル本
書名ルービック・キューブ免許皆伝
著者島内剛一
発行元株式会社日本評論社
発行日 1981年3月10日
サイズB6、116ページ
定価1900円
ISBNまだなかった

ルービックキューブが発売になったのは、確か1980年だったと思う。私 も早速手に入れて、と思ったら、会社のほぼ全員が手にいてれ、熱心に遊んで 仕事に遅れが出た。少なくとも、皆で仕事時間にルービックキューブをいじっ ている姿は見せられなかった。

最初は、雑誌に解法が速報みたいな形で載ったりした。急激に流行し、テレ ビで競技会が催されたが、もちろん一時的な流行として過ぎ去った。

しかし、ルービックキューブは、非常に数学的に取り扱える。つまり、個々 の回転は置換操作である。要するに、置換群なのである。

本書の著者島内剛一氏は、数学者であり、コンピュータ科学者として著名な 先生である。そして、出版社は、あの「数学セミナー」でおなじみの日本評論 社である。したがって、本書の記述は、極めて数学的である。

しかし、決して堅苦しいものではない。いろいろな技、あるいは定理といえ るようなものを、図と数式をうまく用いて説明してある。群について若干なり とも知識のある方なら、群を使って説明するのは自然であるが、ある実体を群 でいかに表現するかの好例ではないかと思う。

本書は、ルービックキューブを、自由自在に操るためのノウハウが凝縮され ているが、これは群の勉強の本としても優れているのではないだろうか。大学 の一般教養、それも教養としての数学を勉強するのに、何も線型代数学や微積 分にこだわる必要はないではないか。それよりも、本書を元にして、ルービッ クキューブを通して「群」の考え方に親しむ方が、今の日本の大学の教育には 必要ではないだろうか。

しかし、今の日本の大学の教育陣に、それだけの柔軟な思考が可能かどうか は多いに疑問がある。

さて、本書は、最後に、ルービックキューブの構造についても触れている。 実際に分解する方法も紹介している。私も何度となく分解し、組み立てて遊ん だが、今はどこへ入ったか見つからない。

ルービックキューブは、インターネット上でJavaで実現されたものが多く公 開されている。 Virtual Rubik's Cube はかなり良くできている。

1996年12月4日 記


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