クールで易しい問題作りこそ、パズル作家の腕の見せどころ
2011年5月25日
パズルの問題を作り出すと、最初はできるだけ難しい問題を作るようだ。 これだけ難しいのを作れるのだ、というのを自慢したがるものだ。
遊ぶ方も、自分にはとても解けないような凄い問題をつくるということで畏敬の対象になるのだろうか。
しかし、パズルは、遊ぶ人を楽しませることが一番重要だ。 遊んでくれた人がどれだけ喜ぶかで、パズル作家の能力を判定すべきなのである。
まず、解けないとよくない。あまりに簡単に解けるのも意味がない。 最近のナンプレ雑誌、問題集などでは、30個以上の数字が汚らしくばら撒かれているものが少なくない。 確かに30個以上、まして40個も置けば、確かに簡単になるだろう。 しかし、それが解けたからといって、嬉しいと思うだろうか。
ほんのちょっとだけ解き方を身につけ、それでいて、きれいな配置で、数字の数も少ない、 つまりクールな問題なのだけれど、初心者が解けてしまう問題というのが理想だ。 ナンプレでいえば、たった18個の数字しかない問題なのに、初心者でも解けるような問題だ。
他のパズルも同様だが、無理矢理易しくしましたという問題ではなく、 一見、上級者が好んで解くような、あるいは上級者にしか解けないような問題にもかかわらず、 初心者に楽に解ける問題を作りたいのだ。 さらに、驚くような仕掛けを入れられれば最高だ。
ナンプレに関して言えば、難しい問題をつくるのは実に簡単だ。 今のコンピュータは高性能なので、まるで底引き網のような感じで、 とりあえず単一解になる問題を大量にかき集め、 その中から難しい問題を探すことをすれば、非常に難しい問題は簡単に作れる。 まあ、そこまでしなくても、簡単に作れるのだが。
手作りでも同じだが、クールで易しい問題というのは、自動生成でも難しいのである。