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『ナンプレ完全征服法』にパクられた

2012年8月22日

インドへパズルを説明しにでかけたり、いろいろあって、ずいぶん間が開いてしまった。

さて、その間に、こんな本が出版されたのだ。 題名がすごい。『ナンプレ完全征服法』という。そして、 著者名のところに、玉岡流開祖、玉岡譲とある。

パズル関係者の名前はそれなりに知っているはずだが、初耳の名前だ。 それにしても、開祖と名乗るとは、すごい。 開祖だから、何かの宗教なのだろうか、まあ良く分からない。

とりあえず、本書には、当方で作成した問題が、なぜか掲載されていて、それがしっかりこき下ろされているという情報を得たので、入手して確認してみた。 どうこき下ろしているのか、ちゃんと勉強しないといけないのだ(笑)

  

情報から、当方で作成した問題は、青空出版の雑誌および学研からの問題集からパクられたようだった。 それで、調べた結果、この2冊から無断転載されていた。

この問題は、学研の『IQナンプレ300 vol.1』の最終問題として出題したものだ。 この問題集は、難易度順に並べられているので、この本の中では一番難しい問題だ。 もう『IQナンプレ300 vol.1』は、書店で見つけるのは困難かもしれないが、 『IQナンプレ300 vol.6』に、過去の傑作選20問をのせたのだが、この問題はそこにも載っているので、確認できる。

この問題について、玉岡流では、『第8章 知的には正解できない問題』として、非常に詳しく紹介してくれている。 でも、この問題が、どうして知的に解けないのは、かなり疑問であった。 目標時間の30分で解くのは、かなりの上級者でないと無理かもしれないが、上級者ならある程度時間をかければできるはずの問題になっているのだ。 しかし、この問題は、「知的に解けない」と頭が???となるようなことが書かれてあったので、ちょっとだけ読んでみた。

でも、日本語がやたらに読みにくいのと、こういう編集をされると、どんな本でも読む気が一瞬で失せるので、部分的に拾い読みだけで済ませた。それ以上頑張って読むのは、拷問としか思えないのである。

本書の説明によると、出題者は「知的」ということが念頭にない人がいて、その引き合いとして『IQ300』の問題を例として解説を加えているらしかった。

この問題に関しては、このままでは解けないので、実は数字を1つ加えることで、玉岡流でちゃんと解ける問題に修正したとある。実際、どこをどう修正したかも、図示されていた。

玉岡流のテクニックの解説もあるのだが、読むのが面倒なので省略したが、一般に使われている呼び方とずいぶん違う独特の名前になっていたので、読む気が失せた。それでも、まあ中級者程度までの手筋を、説明しているに過ぎないようだった。

ネット上には、もっと上級のテクニックの紹介が転がっているし、問題を入力すれば、解き順、適用テクニックが詳細に示されるページも存在する。

本書の最後には、ニコリの『激辛7』について、どのくらい問題の誤り、解が1つに決まらない問題があるかが書かれている。 最後のレベル10の17問中の8問は出題ミスであると決められている。 これらを、黙認・放置のニコリの体質には大きな問題ありとある。

もっと紹介すれば良いかもしれないのだが、バカバカしいので、このあたりで終える。 書かれていることで、参考になることは限りなくゼロ。 それどころか、読むとナンプレの実力が落ちそうな本であることだけはここに書いておこう。

この開祖のナンプレの実力はどの程度であろうか。ナンプレ中級者程度であろうか。 しかし、簡単なことを、より面倒で、解くのに時間の掛かる方法を考え出したものだと感心する。

やさしいことも、こんなに難しく説明できるのだという資料として本書を入手する価値はあるかもしれない。 まあ、要するに、悪例を集めるには良いかと思う。

しかし、本書は、著作権法違反なので、いつ書店から消えるかもしれない。 すでに、出版社の湘南社が、販売中止と回収の依頼を出しているようなのだ。

本書は自費出版なのだが、ナンプレテクニックの良い本だったら、持ち込めば出してくれる出版社は当然あっただろう。 実際、いくつかの出版社を訪問したようなことも書かれていた。 そして、あまり相手にされなかったようにも書かれていた。

ナンプレ愛好家で終わっていれば何も問題なかったのだが、 なぜ開祖とか言い出したのか、すごい自信がどこから沸いてきたのか不思議である。

パズルに限らず、著者に適当な出版社を紹介することはときどきやっているが、 本書の原稿を見たら、間違いなく一瞬で却下することだけは確かだ。


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